TOYOTAの広告が“ワイルドすぎて”、英国で使用禁止に
先月、英国でTOYOTAの広告が「環境に対する社会的責任を無視している」として差し止め措置を受けた。
問題となったのは、2020年のキャンペーン動画とポスター。「Born to Roam(駆け回るために生まれた)」と題された、SUVのプロモーション映像だ。
動画は、数十台のハイラックスが川辺などのオフロードを猛スピードで走行する様子が映し出され、最後に「One of Nature’s True Spectacles(自然の真の姿のひとつ)」のナレーションが添えられるというもの。
また、同シリーズのポスターには、岩だらけの地形を砂埃を立てながら走るSUVが描かれていた。
この映像に対し、企業広告からの解放を目指す団体Adfree Citiesが、「環境に有害な行為を容認するものだ」としてイギリス広告基準局(ASA)に告訴。ASAはこの申し立てを可決とし、広告の禁止命令に至ったのだ。
Adfree Citiesはこの決定をXで伝え、絵文字をつけて祝している。
© X/adfreecities
これまで自動車がもたらす環境負荷への取り組みは、ガソリン車の禁止、あるいは歩行や自転車利用の拡大などに向けられてきた。
一方で今回のTOYOTAの事例は「広告的なイメージに対しての直接的な措置」という点で画期的な動きである。
自然を巻き込んだダイナミックなアピールが“環境負荷を伴う憧れ”につながるという、潜在的な危険性。付加的な影響にまで目を向け、厳しく規制されるのは、時代の厳しさの裏返しのようにも思える。
Adfree Citiesは今後、すべてのSUV広告の停止を求める方針のようだ。
今や、あえて“環境に優しい自動車”と謳わなければ、社会から排斥される時代なのかもしれない──。
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