自然と呼吸を合わせながら走る、こういうEVを待っていた!

ユカタン半島トゥルムの独創的すぎるホテルでも知られる「AZULIK」が、電気自動車「EK」を発表した。ドアもなければタイヤも見えない、まるでそれ自体がひとつの建築物のようなデザインに仕上がっている。

それにしても、斬新なフォルム。

©Roth Architecture

ボディのラインも独特ならインテリアもまた独特。まるでリビングルームのような車内(と呼ぶのも違和感あるが)は、一切の無駄がない。代わりにバックカメラディスプレイにはじまりデジタルメーター、ワイヤレス充電器といったイマドキのEV車に搭載されていそうなものもちきんと装備されている様子。

手掛けたのはデザインおよび製造スタジオ「Roth FabLab」と「AZULIK Real Estate」。トゥルムにある環境配慮型の新しい住宅プロジェクト「AZULIK Basin」のために設計したものだそう。周囲のジャングルを反映した有機的なデザインを施した建築物とワンセットのコンセプトカーというわけだ。

©Roth Architecture

最高速度は時速40kmに抑えられていて、美しい自然の景観を損ねない最低限に舗装されたAZULIK Basin敷地内でゲストを載せて移動する。その雰囲気は言わばゴルフカートのよう。

なんでも地元の技術者らと協力し、メキシコで調達した常緑高木果樹サポテ材をステアリングホイールやパネルなどに使用しているほか、二酸化炭素排出量も最小限に抑えるなど、自然への配慮も最大限に設計されているようだ。

©Roth Architecture
©Roth Architecture

自然の営みに歩調を合わせるようにゆっくりと静かに移動する次世代の乗り物。宿泊施設内の移動手段を考えたとき、デザインだけでなく、いかに環境にマッチした乗り物を創造するか。持続可能性という言葉の意味をあらためて意識させられる。

いったい、どんな乗り心地なんだろう。

Top image: © Roth Architecture
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。