ボッテガ・ヴェネタのSNS戦略、アヴァンギャルドすぎた

2021年の前半に突如として全てのSNSアカウントを削除した、イタリアのラグジュアリーブランド「Bottega Veneta(ボッテガ・ヴェネタ)」。

当時ブランドを率いていたダニエル・リーの下、「独自のデジタルプラットフォームで自由に発信したい」として既存SNSを引退したわけだが、どうやら気が変わったらしい。

リーの引退後、現クリエイティブディレクターのマチュー・ブレイジーによる2023秋冬コレクションの発表に伴い、SNSへと戻ってきたのだ。

しかし……

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アカウントが復活したのはインスタやツイッターなどではなく、なんと「Weibo」のみ。中華圏で最大勢力を誇るプラットフォームであり、他の国ではほぼ利用されていないサービスだ。

Weibo上では新コレクションのティザーが投稿され、250万回以上の再生数を獲得。

理由は明かされていないが、ブランドを保有している「ケリング」社のCEOフランソワ・アンリ・ピノーは以前、「BVは社内の他ブランド(バレンシアガやグッチ等)とは全く異なる位置付けのお互いを補完し合う存在であり、一様のマーケティングをする必要はない」としていたことから、これを踏まえた施策であると考えられているそう。

なお、他プラットフォームでアカウントを復活させるかは不明。上記の理由を踏まえれば、おそらく可能性は低いだろう。

前衛的なデザインが好評のボッテガ・ヴェネタは、都度斬新な取り組みを発表して話題を攫ってきた。ファッション界における中国市場の影響力は大きいとは言え、今回も実に“アヴァンギャルド”なSNS戦略である。

吉と出るか凶と出るか、ぜひ注目したい。

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