いま、「ペットケアのスペシャリスト」が必要とされているワケ
獣医師養成機関として133年もの歴史を持つ「麻布大学」は先日、獣医学部に新たに“愛玩動物看護師”を養成するための「獣医保健看護学科」を設置することを発表した。
「愛玩動物看護師」──、この言葉に聞き馴染みがない方も多いはず。それもそのはず、本資格は2022年5月に新たに創設された国家資格だ。
施行の背景としては、近年、ペットの飼育数が増えるとともに動物医療が多様化・高度化するなかで、動物看護師のスキル向上・業務範囲の拡大が求められるようになってきたことが大きい。
資格の保有者には、獣医師のパートナーとして動物の健康管理をサポートすることに加えて、ペットとその飼い主、家族を含めたトータルケアをおこなうなど、これまでよりも幅広い役割を担うことが期待されている。
今回そんな「ペットケアのスペシャリスト」を養成するべく、新学科の設置を決めた。
同大学はこれまで、国内最多となる約1万7000人もの臨床獣医師を輩出してきた歴史のある大学だ。附属の大規模な動物病院も保有しており、全国トップクラスの高度な設備環境と充実した学習環境を備えている。
卒業後の愛玩動物看護師としての活躍の場は、動物病院だけにとどまらず、地方自治体での動物愛護管理業務や、ペットショップにおける動物取扱責任者、適正飼養に励む動物園や水族館での動物管理などと幅広い。
ここ数年、動物愛護に関する法整備や政策の実施が進み、人々の動物との共生社会への意識も高まりをみせるなか、こうした動物ケアの専門家ともいえる人材は今後ますます必要とされていくことになるのだろう。
Reference: 麻布大学
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