「おやつ代?自分で稼ぐワン!」 中国発、“働くペット” がSNSで話題沸騰

空前のペットブームに沸く中国。なんと、今年末にはペットの数が幼児の数を上回るという話も。米金融大手「ゴールドマン・サックス」による衝撃的な予測は、中国におけるペットの社会的地位の向上を象徴していると言えるだろう。

そんな中国で、いま新たなペット関連トレンドが誕生している。

高まる飼育費用と
ペットの社会化ニーズ

「CNN」の報道によると、ペットが猫カフェや犬カフェで「働き」、自身でおやつ代を稼いでいるんだとか。たとえば、中国南東部の福州に住むジェーン・シュエさんは、愛犬のサモエド犬「OK」を犬カフェに送り出した。「親が子どもを学校に送り出すような気分」と語るシュエさん。OKは、カフェで他の犬たちと遊びながら、立派に“職場デビュー”を果たした。

なぜ、このようなトレンドが生まれているのだろうか?背景には、高騰するペット飼育費用や、ペットの社会化ニーズの高まりが挙げられる。中国でも物価高騰の影響は深刻で、ペットフードや飼育用品の価格も上昇傾向。加えて、協調性や社会性を育む機会が不足しているペットたちにとって、他の犬や猫、そして人間と触れ合うことができるカフェは、彼らにとって学びを与えてくれる場となっているようだ。

「ペット社員」は
飼い主にも嬉しいメリットあり

ペットがカフェで働くメリットは、ペットたちだけのものではないようだ。飼い主にとっても、経済的負担の軽減や、ペットのストレス軽減につながるという。シュエさんの場合、留守中にエアコンをつけっぱなしにする必要がなくなり、電気代の節約になったそう。OK自身も、他の犬たちと遊ぶことでストレスを解消できているようだ。

「ペットインフルエンサー」も登場

さらに、ペットの職場デビューは、SNSを通じて新たな収益機会を生み出す可能性も秘めている。中国版インスタグラムと呼ばれる「小紅書」には、「うちの子採用しませんか?」と言わんばかりのペットの「求人広告」や「履歴書」が溢れかえっている。

なかには、「税引き後」にキャットフード5缶の給料をもらっている猫や、「飼い主の友人には30%割引」を提供するカフェで働く猫も。彼らの愛らしい姿は多くのフォロワーを魅了し、企業タイアップやグッズ販売など、活躍の場は広がるいっぽうだ。

「ペットの就労」は
未来のスタンダードになる?

中国発の「ペットの職場デビュー」。それは、ペットと人間との関係性が進化を遂げている証ともいえる。ペットはもはや、「可愛いだけの存在」ではない。家族の一員であり、社会の一員として、人間と共に歩む「かけがえのないパートナー」としての存在感を増しているという見方もできなくもない。

もしかしたら、近い将来、あなたの隣で働く同僚は、愛らしいペットになっているかもしれない……。

👀 GenZ's Eye 👀

昨今のペットブームの裏では、動物の権利の向上があると筆者は考える。「Animal Right」が謳われ、トロッコ問題の登場人物が犬に変わり、人間と動物、どちらをとる?という倫理的ジレンマが問われる日も近いのかもしれない。

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