「先祖の精神を呼び起こす」アフリカの特別な船旅プログラム
アフリカ最大の経済国の一つ、ナイジェリアのティヌブ大統領が、ある旅行プログラムに賛同する旨を表明した。
プログラムは「ヘリテージ・ヴォヤージ・オブ・リターン」と呼ばれるもので、アフリカと南米のアフロ系民族を再接続する海上旅行だ。これはブラジルからアフリカを巡る歴史的な旅行プロジェクトであり、アフリカ系ブラジル人たちが祖先の土地との結びつきを体験できる機会でもある。
旅はリオデジャネイロ(ブラジル)から始まり、さまざまなアフリカ諸国を経由してラゴス(ナイジェリア)で終了する予定。
ティヌブ大統領は先日、首都アブジャでウォーレ・ショインカ教授(ノーベル文学賞受賞者)やプロジェクトの提案者らと会談した際に、同プログラムの推進へ前向きな意見を述べた。
この海上旅行について「歴史的な意識を喚起して過去を振り返れるだけでなく、経済的な利益も創出できる」とした上で、「アフロ・ブラジル人を彼らのルーツであるアフリカに再接続することは、“先祖の精神を蘇らせる”象徴になるでしょう。アフリカの自由と民主主義を拡大しようとしている今、このような取り組みが登場するのは良いことです」と語った。
この旅のコンセプトは、同国の文化イベント「ラゴス・ブラック・ヘリテージ・フェスティバル」の中で発案されたという。
こちらはアフリカの伝統や文化、歴史を祝うフェスティバルで、奴隷貿易の歴史やそれに関連する人々の経験、さらに現代のアフリカ系民族のアイデンティティと遺産を探る機会となっている。音楽、ダンス、劇、詩、講義、シンポジウムなど、さまざまなアートとエンターテインメントを融合させた大きなイベントである。
アフリカ系の人々の遺産や歴史を再認識する場で、先の歴史的旅行プロジェクトは誕生した。
一方、ブラジル代表のカロリーナ・マイラ・モライス氏によれば、ブラジルには約1億2600万人のアフリカの子孫が住んでいるとのこと。彼女は「ナイジェリアとブラジル、これら二つの国がこのプロジェクトを通じて結びつくことは、非常に意義深いことである」と強調。
「ヘリテージ・ヴォヤージ・オブ・リターン」プロジェクトは、歴史の再認識と文化の俯瞰を通し、アフリカとブラジルの歴史的・文化的つながりを深める重要なステップであると言えるだろう。
少し分かりにくいですが、この旅行プログラムは「アフロ系民族のルーツをめぐる船旅で、ブラジルの同族たちと大国ナイジェリアの絆を深める」といった趣旨のようです。
教科書や授業で習うよりも、やっぱり歴史は体験するのがもっとも身になる学びだと思います。その点、このプログラムによってアフリカの人々がどのようにしてブラジルに移り、そこで現代に繋がる文化を築いてきたかを知れるこのプログラムはとても興味深いものですね。
「先祖の精神を呼び起こす」──力強いコメント。最大級の経済圏であるナイジェリアが主導するわけですから、アフリカ全体の文化促進につながる機会になることを期待しましょう。