環境に優しく、それでいて野心的……世界中を魅了する「サステナブルな都市」はここだ!
今まさに失われる「自然」がある。
……と同時に、工夫と努力のおかげで救われる環境もある。
劇的に変化する環境問題を自分事として捉えてストップをかけるには、都市が率先して行動に移さなければならない。
今回は、ウェブメディア『KVIA』が紹介した「地球環境に配慮した取り組みで世界を先導する」アメリカの10の都市をご紹介。
1. 北カリフォルニア
ここでは、市内での新たなガソリンスタンド建設が禁止されている。
さらに、カリフォルニア州全土では2035年までにガソリン車の販売を終了するという方針が打ち出されており、電気自動車の普及を促す動きを先導している。
また、ガソリンスタンドの廃止により、地下漏れによる土壌汚染を防ぐことも期待できる。
2. シアトル
毎年10万トンもの温室効果ガスを排出するガソリンバスを廃止し、2035年までに完全に電気化することが目指されている。
2021年初めには、60人乗りの大型と36人乗りの小型の2種類のEVバスを導入。これらの車両は、一回の充電で220マイル(約350km)の走行が可能だそう。
3. イサカ(ニューヨーク州)
ここは「2030年までに全ての建物を脱炭素化する」という目標を掲げたアメリカで最初の都市。
民間主導の取り組みとしては、住民や企業に対し、ゼロ金利および低金利ローンでヒートポンプなどの技術が提供される。
このプロジェクトには多くの投資家や民間企業が協力し、計約1億500万ドルもの資金が寄付されたそうだ。
4. ポートランド
ポートランドは、2004年に雨水管理のために「透水性舗装」を導入。これにより、雨水が地面に浸透することによる排水システムの負荷を減らすことができる。
また、雨水の流出を雨水排水溝ではなく土壌にろ過するために、街中に排水を貯めるシステムも導入されているらしい。
5. サンフランシスコ
1996年にアメリカで初めて大規模な堆肥化プログラムを導入し、2009年には義務化。この取り組みにより、わずか3年で埋め立てから廃棄物の発生を78%削減することに成功したという。
現在、サンフランシスコの住宅および中小企業から出される廃棄物は、ほぼ半分がリサイクルまたは堆肥化されているようだ。
6. デンバー
電動自転車を普及させるために、購入者に割引券を提供する取り組みを実施。
乗り換えの促進と並行して自転車の走行環境や駐輪場の整備も進められ、着実に持続可能な移動手段にシフトしている。
2020年には、市全体の気候行動計画に向けた資金を確保するために、0.25%の増税にも動いたようだ。
7. コロラド州
同州は、2022年にコロラド川の水位が記録的な低水準となったことを受け、観賞用に植えられた芝生を禁止・除去することで、水の使用を抑制できるように動いている。
また、プールやスパにおける水の使いすぎや、観賞用の噴水に非循環型の飲料水を使用しないなど、徹底した節水に努める。
8. サンタモニカ
この都市は、2016年以降、新しく建設されるすべての住宅に太陽光パネルの設置を義務付けた。
新築一戸建て住宅には平方フィート当たり1.5ワット、集合住宅や商業ビルには平方フィート当たり2ワットが、導入義務量として設定されている。
「2050年までにカーボンニュートラルを実現する」という目標もあり、上述した中心的な取り組みをはじめ、サンタモニカはエネルギー改革に努めている。
9. バークレー
バークレーは、新築の住宅における天然ガス接続を禁止したアメリカ最初の都市だ。
ガス炉、ストーブ、オーブンが、よりエネルギー効率の高いヒートポンプに置き換えられている。
電気機器の買い替えにかかる費用や光熱費の増大には不満の声も上がったが、「身近に迫る温暖化の影響を阻止する」有効策として、他の州でも取り入れられるようになった。
10. シカゴ
「庭の街」とも称されるシカゴでは、米国内最大面積の公園が管理されている。
シカゴの土地面積の8.5%にあたる12,429エーカーの公園が、この街のエコツーリズムを支えているのだ。
また、2015年には気候行動計画を制定。再生可能エネルギーの普及や廃棄物と排水管理の改善にも取り組む、環境的先進都市の代表格だ。