アメリカ人カップルの仲良しの「秘訣」が驚きの方法だった......
Netflixの記録的ヒット作『全裸監督』を観ていたとき、自分が生まれる以前、80年代の日本にドラマで描かれているような時代が本当にあったのかと思うと、驚きの連続だった。
いち映像作品だから、事実とは異なっていたり誇張されている描写はあるということは理解している。それでも、東京オリンピックが開催された当時「日本から成人誌がなくなる」というような事態もある。現代では次々と規制が増え、あの時代の“勢い”は確実に衰えているように感じる……。
「子どもへの悪影響」という理由で、「エロ」に対する規制を強化するのはもっともな動きではあるが、それ以上に今日は「エロ=悪」という、行き過ぎた認識が人々のなかに芽生えているんじゃなかろうか。
結果、日本では「性」に対する誤認識が増えているのかもれない。日本の性教育が他国と比べて遅れていることもまた然り。
では、海外のZ世代は「エロ」や「性的コンテンツ」に対して、どのような考えを持っているのだろうか──。
前置きが長くなってしまったが、2021年にアメリカ全土の18歳以上、約1000人の人々を対象に行われた「ポルノ鑑賞のイメージ」というテーマの調査結果をご紹介。
アメリカ人の「ポルノ鑑賞」事情
回答者のうち、69%がポルノを視聴した後に罪悪感や恥ずかしさを感じたことがある一方で、約76%の人々がパートナーと一緒にポルノを鑑賞することが心地よいと答えた。
ウェブサイトなどでもマンネリ化の解消法や予防法の一つとして言われていることから、日本人でも経験のある人もいることだろう。ただ、パートナーと一緒に行う定番行為にポルノ鑑賞は、この国では根付いていないはず。
一方で、アメリカ人はポルノ鑑賞に対して比較的ポジティブな意見を持っているというだけでなく、パートナーと仲を深める手段の一つとして考えられているようだ。
パートナー同士の
新たな発見につながる
さて、このカップルによるポルノ鑑賞、先月末『Mashable』が性科学者のRhiannon John氏のコメントを紹介しながら、カップルのより良い関係性構築のための一助となるという彼女の持論を紹介している。
「カップルでポルノを鑑賞することで互いの興奮するものをより理解し、自分たちのニーズを効果的に伝えることができ、より満足のいく性的なつながりを築くことにつながります」
John氏は同時に、セックスに関する欲望や趣味嗜好、限度を知ることができるとも。
また、パートナーが持つポルノへの考え方も、カップルの関係性向上に繋がっている要因の一つだろう。
調査内の「パートナーの知らない間にどの種類のポルノでも観ることを、パートナーを裏切る行為だと考えるか?」という項目に対して、94%もの人が「いいえ」と答えている。
カップルの関係構築においてポルノ鑑賞が有益なものという考え方が、アメリカで浸透している証拠ではないだろうか。
「性教育」としてのポルノ鑑賞も
当然ではあるが、一般的なポルノは娯楽目的で製作されているため、性教育の代替にはなり得ない。医学的・倫理的な観点からも、間違った情報を伝える可能性があるからだ。
カリフォルニア州立大学で性的・人間関係コミュニケーションの教授を務めるTara Suwinyattichaiporn博士は「教育的なポルノ」を観ることを推奨している人物。“教育的”とは、実例や医学的根拠に基づいて製作されていて、正しいセックスの方法などを伝えているもののことらしい。
一緒に鑑賞はOK
でも、性的な文脈でのトークはNG
カップルでポルノを鑑賞することには、前述のようなメリットが存在するものの、パートナーに対してあからさまに性的ワードを使ってもいいということではない。
Suwinyattichaiporn博士は言う。
「まず、性的な文脈では話さないことです。セックス前、中、後に話題を持ち出したりしないでください。コーヒーやハイキング、ディナーのときに話しましょう」
パートナー同士だとしても、急に話題にされると困惑してしまう。適切なタイミングで相手に提案する必要があると博士はアドバイスを送る。
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さて、賛否両論分かれるところだろう。
でも、ポルノ鑑賞を正しい方法で活用すれば、恋人との関係改善につながる可能性があるということ。そして、そこには学術的な見解も。
いま、アメリカではZ世代を中心としてポルノを個人の価値観に基づき、新たなプラットフォームで利用しようという動きがある。日本でも「エロ」の文化が偏見や根拠なき理由で断絶されるのではなく、我々を正しい方向へ導く形で発展していくことを願うばかりだ。