ネアンデルタール人が捧げた花は故人への贈り物だったのか?

ネアンデルタール人の墓穴から花粉の塊が見つかったことから、ネアンデルタール人は故人に花を手向けていたと考えられてきた。

しかし、イギリスの研究チームによると、どうやら動物が運んできた花粉だと推測されるらしい。同チームは、花粉の大きさや形状などを再調査。その結果、咲く時期が異なるさまざまな花のものだと判明。

つまり、埋葬時など特定のタイミングで花が捧げられたわけではなく、長期間にわたる動物の活動によって花粉が蓄積された可能性が高いとのこと。実際、ネアンデルタール人の墓が見つかった洞窟では今もミツバチが巣を作っているらしく、「動物が集めた花粉説」が有力といえそうだ。

ただ、それでもネアンデルタール人には宗教的な世界観があったと考えられる。というのは、遺体は洞窟内にある大きな石柱付近に意図的に埋葬されており、これはネアンデルタール人が石柱に何か霊的な意味を見出していたとも捉えられるからなんだそう。

「咲く時期の異なる花の花粉が堆積していたのは、ネアンデルタール人が長期にわたって花を供え続けたから……?」と考えてしまうのは、花を手向ける習慣がある現代人の都合のよい解釈だろうか——。

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