就職先を間違えた。だからこそ学べた5つのこと
「思い通りにいかなかったことが、予想外の幸運につながることもある」-ダライ・ラマ
何年も一生懸命勉強してきたのに、応募していた行政の上層部に選ばれなかった。
せっかく取った法律の学位を無駄にしないように、仕事をしながら作家としても頑張ってきたつもり。だけど、法律関係の仕事が本当に自分に合っているんだって確信が持てなくて……。当時は、思い切って行政の仕事に就くことが1番の道だ!って思いが強くなって結局選んだんだけどね。いざ就職してわかったことは、向いてないってこと。
そこで与えられた選択肢は2つ。立ち止まって、合格できなかったことを悔やみ悲しむか、やりたいと思って選んだ道を正解にするために、この状況を受け入れるか。
自分が情けなくて逃げたい気持ちをグッとこらえて、今回は踏ん張ってみることに決めた。
最初は失望したけれど、深呼吸をして、現実を見る。会社や社会が理不尽である、という現実は変えられない。腰を据えて挑んだら、結局受け入れるしかなかったんだって気付いたの。諦めるのではなく、受け入れる。
こうして最近の私の残念だったことを紹介したところで、失敗から学んだプラスの力を、5つ紹介しようと思う。
01.
自分でコントロールできること、
できないことの見極めがつく
簡単に言うと、等身大の自分と向き合う機会をつくる。すべての計画や努力、結果に対する意識をコントロールしているのは、本当のあなたではなく、きっと理想像だから。
例えば、仕事が1番できると思っているから、失敗をすると何日間も凹んでしまう。苦しめているのは、自分への過大評価。本当はもっと優秀で勉強できるのに、と言い訳をするのではなく、俯瞰して見ることにした。
試験が始まる前にたくさん勉強して、心も体も準備万端にして、少しでもうまくいくようには改善できる。でも始まってしまえば、予想のつかない、コントロールしきれないことが起きるのは仕方のないこと。思うように進まない時もあるし、うまくいくとも限らない。だけど自分に厳しく行動に移したほうが、心の痛みは軽くなるのよ。
自分でコントロールできることと、そうでないことを把握しておくだけで、自分自身への憐みや、責めはなくなるでしょう。ましてや、他人のせいにするということもなくなる。
02.
自分をもっと理解できる
恋人との別れを例えにしよう。もちろん多少の悲しみはあるけれど、時間が経つにつれて、「この経験によって学んだことは何か」を目一杯考えてみる。それができたら、元恋人に感謝の気持ちが生まれてくるはず。
あなたが本当に欲しいものは?素のあなたはどんな人?何に耐えられて、何に耐えられない?学んだことをはっきりさせると、それ以降自分の下す決断はより的確になる。
社会人生活を思い出すと、辛い状況になればなるほど、ものごとに対して「関係ない」と無頓着な考え方になるのが私の悪いところだって気がついた。もっと努力した後の「結果」にこだわらなきゃいけない。失敗をしたときこそ、自分を厳しい目で客観視する。それによって、もっと早く次の1歩を踏み出せるようになった。
失敗の数だけ、挽回するチャンスは大きくなる。最初の失望を超えればあとは前を向き、効率よく行動をして、自分の弱点と向き合うこと。
つまり、自分の行動はすべて自分で責任をとり、結果に不満なときは、なぜ自分はそこまで苛立ちを覚えるのかを考える。低い自己評価のせいか。エゴか。もしそうならば、それらにサヨナラを言い、本当の自分を見つけ出そう。
03.
「今すべきこと」に気づかせてくれる
大きな失敗をすると、何をするべきなのかが明らかになる。「注意深さ」の大切さを教えてくれる。
つまりは、今ここでやっていることに100%注力できない人は、逃げてもムダってわけ。
私の就職も、結果にすべての期待と願いを込めすぎてしまうと、失敗がさらに大きく感じて、どん底に落とされるのだと学んだ。
仕事に就くために、友達と家族との交流さえも遮断してしまうと、大事な「現在(いま)」を取りあげられてしまう。執着しすぎると、他のことを忘れ、そこでも残念な思いをするかもしれない。
一瞬一瞬をしっかり生きると、地に足が付き、何か思い通りに行かなかった時に、その都度ぐらつかなくて済む。
04.
遠回りしたことの意味を教えてくれる
転職をしようと、自分の専門分野からはずれたマクロ経済学や、他の教科に数えられない程の時間をつぎ込んだけれど、結局転職には繋がらなかった。でもその時間があったから、無縁だった知識や情報を私に与えてくれた。実際、今執筆している本にも、経済学の知識は活かされている。
そして、この遠回りの旅路で同じ目標を目指す仲間と出会い、今では私の親友となった。
結果が思い通りにならなくても、それまでの時間で出会った人たちや、経験したこと、自身の成長が無駄だったとは言えない。結果はどうあれ学ぶことがあったならば、決して無駄にはならない。
05.
もっと素晴らしい未来をつくれる
数年前、私は「自己愛性人格障害」の男性と付き合っていた。当然そんな病気のことは無知で、充分すぎるほどこの症状を目の当たりにするまで、気がつかなかった。
その病気が発覚するまで、私は関係が上手くいかないのは自分のせいだと責めていた。この経験があったから、立ちすくんで俯いているよりも、前向きに歩いていくのが賢明なのだと学んだ。
……あなたにも、当時は悲しみや悔しさで気づかなかったけれど、失敗したからこそ進んだ道が素晴らしい経験になったことはありませんか?
きっと誰にでもあると思うんです。そして、もし今「この選択は失敗だった」と思っているなら、その先に素晴らしい旅路が待っていることを忘れないでくださいね。
「何事にも意味はある」という言葉は、理由があって昔から言われ続けているのだから。
この記事は、作家・弁護士として活躍するConstantina Koutsoupiaさんが書いたもの。
自分の選択にまだ納得できていなかったとしても、そこから何を掴み取るとるか。思った通りにいくことの方が少ないのだから、「間違えない選択」をする能力よりも、「成功に変える」努力を忘れないことの方が、いつでも重要なのでしょうね。