光は闇に打ち勝つ!インド神話に由来する光の祭典「ディワリ」が気になる!

日本と同様、宗教的な祭りが数多く存在するインドでは、他とは比べ物にならないほどの超ビッグな祝祭が開催されるらしい。

どんなもので、どれほどの盛り上がりを見せるのだろう?

今回は、魅力的すぎる“新年×クリスマス”のような側面を持つ、世界最大級の祝典「ディワリ」をご紹介。

世界最大級、10億人もの人々が謳歌する
インドの大祭典「ディワリ」とは?

まずは規模。日本での知名度はまだまだ低いが、世界的に見れば10億人もの人々がこの日を祝うという。

それもそのはず、ディワリはインド人口の80%を占めるヒンドゥー教において、新年を意味する祭り。インド国民にとっては、最も重要な1年の区切りなのだ。

期間中、会社や学校は休みに入り、人々は家族と過ごすのが一般的。みんなでお寺参りに行ったり、インドの伝統料理やスイーツを手作りしたり。

さらに、家中を大掃除し、幸運をもたらすとされるアート「ランゴリ」を玄関に描くのも特徴的だ。この美しい装飾は、ヒンドゥー教の女神・ラクシュミーを出迎えるためのものなんだそう。

さすがはインド、カラフルで幾何学的な模様は圧巻だ。女神も喜んで訪れてくれるだろう。

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んん?なんだか日本の正月と似ている……!

日本でも、年末年始は家族の団らんや大掃除、伝統的なおせちを食べるのが定番の過ごし方。

正月飾りと呼ばれる「門松」や「しめ飾り」を玄関にかける風習もある。その意味合いは、神様が降り立つ目印のため……あれ、「ランゴリ」とほぼ同じ意味じゃん!

遠く離れたインドと日本、今は宗教や価値観も異なっているが、やはり文化的な繋がりは深いのだろう。

……だが、インドの新年はこれで終わりではない。

んんん?ちょっと待って、クリスマスっぽくない!?

ディワリには、忘れてはならない要素がある。“光の祭典”と呼ばれることもあるだけに、がなにより重要なのだ。

本祭は新年を意味すると同時に、神話に由来する行事でもある。

インド二大叙事詩である『ラーマーヤナ』に、「約7,000年前、ある勇敢な王子が悪魔を打ち倒し、その妻を救出することに成功した」というようなエピソードがある。これは「闇(=悪)に対する光(=善)の勝利」を表すとされており、人々は王子の偉業を讃え、祝うのだ。

光の勝利を讃えるべく、現代では大量の花火が打ち上げられ、爆竹が鳴り響く。また家の中でも、「ディヤ」と呼ばれるオイルランプを部屋や祭壇に置き、美しくライトアップするのが慣習となっている。

こうして、日頃も十分賑やかなインドの国中が、いっそう盛り上がりを見せるのだ。

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このように、期間中のインドの街は“ディワリモード”で染まり、人々は「Happy Diwali ! 」「Happy Diwali ! 」とお祝いのメッセージを家族や友人に送りまくり、大切な人にはのギフトも送る。

ディワリシーズンの買い物は縁起が良いとされているため、ショッピングエリアではディワリセールが開催されるんだそう。

きらびやかな冬の街並みにプレゼントといえば……?そう、これはまるで聖なる夜(というか、インドからすれば本当にそうなのだが)。

「光のないディワリ」は「サンタさんのいないクリスマス」のようなもの。これがなきゃ始まらないのだ。

今は「誰もが楽しめる」お祭りに

かつては「宗教的儀式」としての意義が大きかったディワリだが、現在は信仰に関係なく誰もが楽しめる祭になりつつある。ド派手かつ全力のハッピームードも相まって、観光客や教徒でない人でも十分に楽しめるはずだ。

それにしても、「日本の正月と西洋のクリスマスが合わさった」ような超ビッグイベントがあったなんて。……これはもう、行かない手はないでしょ?

「キリストのミサ」がクリスマスとして親しまれているように、今や世界最大級の参加人数を誇るディワリも、今後は世界的なイベントになるかもしれない。

ただ、世界的に認知度が広がる中で、大量の花火や爆竹を使うがゆえに、近年は環境問題への配慮が求められていたりもする。

せっかくの大イベントだからこそ、今後も伝統を損ねることなく、より良いものとして続いていくことを願いたい。

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