元・白人福音派の証言:現代アメリカ社会の“リアル”を知る【話題著作】
現在のアメリカ政治において、大きな影響力を持つといわれる白人福音派。その内部からの率直な声を伝える自叙伝が話題になっている。
この記事の要点
・アメリカでは、保守的なキリスト教信仰を持つ「白人福音派」が、政治的に大きな影響力を持つようになった。
・Jon Wardの自叙伝が、自身の経験を通して、白人福音派の政治的権力獲得の経緯や実態を語る著作として話題になっている。
・白人福音派の間でトランプ氏への支持が宗教的・道徳的理由よりも実用的、政治的な動機に基づいているとし、彼らの多様性と誤解について議論している。
いまアメリカ社会では、聖書を重んじる「白人福音派」の影響力が増大している。彼らは保守的なキリスト教信仰を持ち、共和党の活動家は彼らを宗教右派として組織化してきた。
先日新たに下院議長に選出された共和党のマイク・ジョンソン氏は、その象徴的存在といえよう。また、2016年大統領選におけるトランプの当選や、女性の中絶権を合憲とする「ロー対ウェイド判決」が覆った出来事も記憶に新しい。
しかし、この白人福音派に対する“誤った認識”が広がっているという。
メディアはしばしば彼らを過激なキリスト教徒集団として描くが、実際にはもっと多様な顔を持っているのだ。
厳格なキリスト教徒の家庭で育ったJon Ward(ジョン・ワード)は、自身の自叙伝『Testimony: Inside the Evangelical Movement That Failed a Generation』の中で、白人福音派がどのように政治的権力を獲得したのか、自身の経験をもとにその実態を浮き彫りにしている。
『CNN』のインタビューで、彼は白人福音派が誤解されがちである理由、「キリスト教国家主義」という用語の使用に慎重になるべき理由、そして白人福音派が今後トランプ元大統領を支持し続けるのかについて語った。
まず、多くの福音派が「アメリカはキリスト教国」という考えを持っているが、それが必ずしも過激なキリスト教国家主義を意味するわけではないと指摘する。ワードは、このような考えを持つ人々を「過激派」と一括りにすることが、彼らを反民主的な運動に駆り立てる危険性があると警告している。
また彼によれば、福音主義者の間でのトランプ氏の支持は、必ずしも宗教的または道徳的な理由に基づくものではなく、より実用的で政治的な動機によるものだという。トランプ氏が再選される場合、多くの福音派からの称賛の一方で、一部の人々が宗教や政治から離れる可能性も予測されている。
ワードの著作は、特にアメリカにおいて宗教がどのように社会的・政治的な議論に影響を与えているかを考察する上で、新たな視点を提供するものだ。日本の読者にとっても、宗教が持つ二面性を理解する一助となるだろう。
※本記事はGeneraitve AIを一部活用して制作しております。