批判殺到により撤回……報道写真と生成AIは「混ぜるな危険」!
フォトジャーナリズムでもっとも権威があると称される「世界報道写真大賞」を開催している世界報道写真財団(WPP)。
先日、同財団の公式サイトによる発表が、多くの写真家から非難を浴びることとなった。その内容がこちら。
世界報道写真大賞のエントリー作品に、カメラによって撮影された静止画が使用されている限り、オープンフォーマットカテゴリでの生成AIの使用を許可する。
発表の中で財団は、このカテゴリについて、「革新的なテクニックやアプローチによるエントリーが奨励されており、急速に変化する業界で議論を引き起こす目的がある」と言及している。
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発表は世界中のフォトジャーナリストに衝撃を与え、公式インスタグラムの投稿には批判の声が殺到。数々の受賞歴を持つ著名な写真家らによって、抗議文が掲載される事態にまで発展した。
ニュースサイト『PetaPixel』によると、ピューリッツァー賞を受賞した写真家のダニエル・エッター氏は、「この発表は、私の世界報道写真大賞を価値のない金属のように感じさせる」とコメントしている。
財団の発表にここまで多くの否定的な意見が寄せられたのは、それが報道写真のあり方やジャーナリズムの理念を根底から揺らがせてしまうものだったから。
報道写真とは「真実を伝えるため」のものであり、これに生成AIが使用されれば、それはフェイクニュースにすらなり得てしまうのだ。
多くの反発によって、世界報道写真財団は発表から数日で撤回文を掲載。その中には、意見を表明した写真家への感謝と共に、「精度と信頼」という財団の価値観について触れる文もあった。
この一連の出来事は、生成AIによって私たちの“コンテンツに対する価値観”が再認識されるきっかけ、一つの教訓として活かせるかもしれない。
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