イーロン・マスク率いる「Neuralink」。脳内デバイスの人体治験に成功
イーロン・マスクが出資するニューロテクノロジー企業「Neuralink」が開発中の脳インターフェイス技術において、脳内にデバイスを埋め込む臨床実験をはじめてヒトを対象に実施。
Xアカウントでの発表によると、被験者は順調に回復しており、脳内のチップも正常に作動しているという。
Elon Musk / X
Neuralinkが目指すのは、「考える」だけで人間がコンピュータなどを操作できるようになるデバイスの開発。2021年4月には脳内にチップを埋め込まれたサルがゲームをする映像が公開されるなど、これまで動物を対象とした臨床実験を行ってきた。
そして、去年5月にFDA(アメリカ食品医薬品局)からヒトでの実験を行う承認を取得、同年9月に人体治験参加者の募集がスタートした。
対象者となったのは、アメリカ在住でALSによる四肢麻痺のある人や盲目の人、話すことができない人で、本治験では運動を制御する脳の部分に「N1」というデバイスを埋め込んだという。
また、Xの別投稿では初のプロダクトである「Telepathy」に関する情報も発表された。考えるだけで、スマートフォンやコンピューター、そしてそれらを通じてほとんどすべての機器をコントロールすることが可能になるとのこと。初期ユーザとしては手足が不自由な人々を想定しているらしい。
今回、人間での試験が無事成功し、2〜3年という短いスパンで着々と物事を進めてきたNeuralink。次に目指す先はいったい……。
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