「できっこない」は思い込み。ダウン症でもカクテル飲めるし、セックスだってできる!

米国疾病管理予防センター(CDC)によると、米国では毎年約6000人の赤ちゃんが、厚生労働省によると日本では毎年約2000人の赤ちゃんがダウン症を持って生まれるそうだ。ダウン症の人々への理解はここ数年で劇的に改善されたものの、「彼らにはできっこない」という彼らへの“思い込み”は、まだ根深くあるのが現実のよう。

そんな現状に抗議すべく、イタリアのダウン症団体「CoorDown」が、「世界ダウン症の日(3月21日)」に先立って“Assume That I Can”というタイトルのキャンペーンを実施した。

1分30秒の短い動画ながら、インパクトあるメッセージが込められている。まずは、動画をご覧いただきたい。

「できっこない」は、
アナタの思い込みかもしれない

© CoorDown / Youtube

このキャンペーンのメインは、カナダ人女優マディソン・テブリンが出演する広告。ダウン症当事者である22歳の彼女は、カメラに向かってこう訴える。

以下、動画より抜粋して意訳にてご紹介。

 

ねえ、バーテンダー。あなたは私がカクテルを飲めないと仮定する。だからあなたは私にカクテルを作ってくれないんでしょ?だから私はカクテルを飲まないの。

あなたの仮定は現実になるということを覚えておいて。

私の両親だってそう。彼らは私が一人暮らしできないと仮定する。常に私のお世話をするでしょ?だから私は一人暮らしをしないわけ。

ボクシングのコーチも、学校の先生も。ができないと思って教えないから、私はいつまでもやらないの。

でもね。あなたのその仮定が、もし現実にできるとしたら……。

私がカクテルを飲めると仮定してみて。あなたはカクテルを私に作ってくれる、だから私はカクテルを飲むの。

一人暮らしもボクシングも同じ。

パーティーに行くのも舞台に立つのもセックスもなんだってそう。できると思ってみて、そうしたらきっと私はやるんだから。

あなたの仮定は、現実になる。

© CoorDown / instagram

CoorDownの公式インスタグラムで投稿されたこの映像は77万件のいいねがつき、大きな話題となった。さらにダウン症の人々の様々な活動を“Assume That I Can”の合言葉とともに紹介。自分のしたいことを実現し楽しんでいる様子に勇気づけられた人は、きっと多いはずだ。

CDCによると、ダウン症を持つ人には認知の遅れが見られるものの、その影響は軽度から中等度であり、各個人が持つ多くの「強み」や「才能」を示すものではないのだそう。

 「いつも自分がダウン症であることを伝えていますが、それは私にとってなんの興味もないこと。私という人間の一部であって、私のすべてではないんですから」。Assume That I Canキャンペーンを取り上げた「CNN」に対し、マディソン氏はインタビューでこう返答しているように、今やダウン症もひとつの個性として捉えられる(捉えられるべき)時代。

映像内で指摘されているあなたの仮定は現実になるというメッセージは、ダウン症を持つ人々だけでなく、「チャレンジしたいけど一歩踏み出せずにいる」という、世界中の人にも力を与えたに違いない。

Top image: © iStock.com/Edwin Tan
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