使いかけのスパイスを食べると危ない!?ベストな交換タイミングをインドの栄養士が伝授

コロナ禍のステイホーム中に、空前のブームとなったのが「スパイスカレー」。自宅で一から作る本格的なカレーに挑戦した人も多いはず。だが、いくつかのスパイスを集めたはいいものの、ブームが落ち着いた今、使い切れず放置している……なんてことないだろうか?

さまざまな料理において味と香りにエッセンスをもたらしてくれるスパイスにも、当然ながら賞味期限があるわけだが、それとともに使用期限なるものもあるらしい。用法を守らないと、重大な健康被害につながることも……。

スパイスはどのくらいの頻度で
交換するべきなの?

インド大手日刊新聞『The Indian Express』が、臨床栄養士G Sushma氏のコメントをもとにスパイスの使用期限について紹介。以下、その内容をかいつまんで説明しよう。

まずは粉末スパイス。Sushma氏によると、空気に触れる表面積が大きいため効力と風味が早く失われる傾向があるという。風味をよい状態で保つためには、1~3年ごとに交換することが好ましいとのこと。

いっぽうホールスパイスはというと、こちらは砕くことなく原型のまま乾燥させているため、適切な状態で保存すれば最長4年、場合によってはそれ以上もつとのこと。

パウダースパイスは空気に触れるぶん風味劣化が速まり、外殻がそのまま残ったホールスパイスは、それほど劣化することなく保たれるというのが結論。

いかがだろう。どちらも、想像していたよりも長持ちするなという印象では?とはいえ、スパイス本来の新鮮さを保つため、数年ごとに交換するのがオススメのようだ。

スパイスごとに見ていくと、ナツメグやパプリカ、クミンシードといった油分の多いスパイスは、酸敗しやすい傾向がある。これらのスパイスに含まれる油は、時間の経過とともに酸化し、風味が悪くなり、イヤ~な香りがすることも。

また、パセリやコリアンダー、ディルなどのハーブ類は、シード系スパイスに比べて保存期間がずっと短くなる。ハーブには水分が含まれているため、適切に保存しないとカビが生える原因にも。そのため、ベストな風味を活かすためハーブも毎年交換がベターだそう。

さらに、保存場所も重要。

氏によると、スパイスは光や熱、湿気にさらされると劣化が早まる可能性があるため、透明な容器に入れたり、熱くなる場所に保管するべきではないんだそう。透明な小瓶に入った状態で販売されているものをよく見かけるが、保存という観点で考えるとキッチンに整然と並んだ見た目だけに囚われてもいられないようだ。

たしかにインドレストランのキッチンを覗き見してみると、スパイスはステンレス製のケースに保管されていることが多い。風味をよりよく保つには、”魅せるスパイス”はご法度なのかもしれない。

腐ったスパイス、食べても大丈夫?

では、適切な状態で保管されていないスパイスを食べるとどうなるのか。場合によっては、健康上の問題を引き起こす可能性がある、とSushma氏は警鐘を鳴らす。

というのも、カビや細菌でスパイスが汚染されている場合、吐き気や胃けいれん、下痢、食中毒など消化器系の問題を引き起こす可能性があるんだそう。整腸を促進してくれるイメージを持っていただけに、これにはびっくり。

とくに湿気の多い場所や不衛生な状態で保管された場合、サルモネラ菌や大腸菌などの有害な細菌に汚染されることがあるからだという。さらに、カビが生えることで発生するマイコトキシンもまた有毒な物質で、大量に摂取すると健康上の悪影響を及ぼすこともあるという認識だけは持っておく必要がありそうだ。

それでも、期限切れスパイスによる健康的リスクは一般的には低いと言われている。古すぎて変色したものや異常な匂いがするものは避け、カビが生えてないかこまめにチェックしながら、スパイスライフを楽しむ。これが正解。

というわけで、ジメジメシーズン到来のいま、ご自宅のスパイスをあらためて点検してみては?

Top image: © monticello/Shutterstock.com
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