“捨てる”旅で出会った、「今こそが宝物」という考え方

サウナ大好き作家・岩田リョウコさんと、サウナをこよなく愛する女優・清水みさとさん。

ふたりがどのようにサウナを日常に取り入れ、どんなサ活を楽しんでいるのか。気になりますよね? そこで、ふたりのサウナな日々を「交換日記」に綴ってもらいました。

今回は、みさとさんからリョウコさんへ──。

清水みさと

俳優、タレント。サウナ好きが高じて、「サウナイキタイ」ポスターモデルをはじめ、ラジオ「清水みさとの、サウナいこ?」(AuDee/JFN全国21局ネット)のパーソナリティーを務め、TBS「世界ふしぎ発見!」など多方面で活躍中。近著に『サウナのぷりンセス』。

リョウコさんへ

 

こんにちは。タンザニアに行ってきました。

サファリで出会ったライオン。「会えたら奇跡」と言われたライオンがズームなしでこの距離に。©清水みさと

今、10日ぶりにサウナに入り、上がりたてほやほやでこの交換日記を書いています。体が軽くなって、手の指なんて特にそうで指輪はブカブカだし、キーボードの上を指先がツルツル滑って踊ってるみたい。書きたいことがありすぎて、はしゃいじゃってるのかも。

体に滞った老廃物がすべて放出され、10日間の“濃厚”な思い出を隅々まで振り返ったサウナ。気持ちよさとエモーショナルが合体した、なかなかいいサウナタイムでした。

長旅のあとはすぐさまサウナに行くに限ります。ちなみに、行ったのは、通っているジムのサウナです。いつものおばちゃんたちが、今日もいつもの時間に来て、いつも通りおしゃべりしてて、わたしの大好きななんでもない日常がちゃんとあって、ほっとして、旅に終止符。

家に帰ってきたら、シェフ茂雄によるだいすきなご飯。©清水みさと

なかなかの非日常をタンザニアで過ごしたこともあるけれど、旅から帰ってきたあとの「いつも通り」ほど沁みるものって、なかなかないかも。

 

さて、アフリカに行くのは去年のエジプトぶりですが、エジプトはどちらかというと中東っぽさも混在していたので、本格的なアフリカ・オブ・アフリカは今回が初めてでした。

とにかく、何もかもが規格外。予定された時間も、決まっているホテルも、飛行機だってどんどん変わる。それでも、スワヒリ語の「ハクナ・マタタ(問題ないさ)」と「ポレポレ(ゆっくりゆっくり)」で、あらゆるハプニングが掻き消されるのでした。

「NO HURRY IN AFRICA」©清水みさと

初日、4時間と言われて10時間かかった時はさすがに、生半可じゃない!と思ったけれど、それ以降2時間と言われたら4時間、30分と言われたら1時間ね、と順応していくわたしたちでした。「当たり前」とか「いつも通り」がどこにもなさそうだし、それでもへっちゃらなのは、今だけを生きてるからなんでしょうか。

ガソリンスタンドに友だちがいたからと、おしゃべりするためだけに入って、ガソリンを給油せずに出たり、夕陽が綺麗、星が綺麗というとすぐに車を停めてくれたり、先の予定より、今起きていることが宝物である生き方を目の当たりにしました。

見渡す限り星空。©清水みさと

急かされず惑わされず、素直に生きている人たちの煌めき、わたしは多分ずっと忘れないだろうと思います。

サファリカーを運転してくれた2人。綺麗な夕日や星空をたくさん見せてくれた。©清水みさと
言葉が通じなくても、歌って踊って、もう友だち©清水みさと
日本人の奥さんをもつ、マサイ族のジェームス©清水みさと
みんなで、タンザニア料理「ウガリ」を食べました。©清水みさと

今回は、捨てる旅でした。

常識の通用しないアフリカで、余分な考えや、価値観が溶けていった気がします。日常に戻ったら簡単に取り戻すかもしれないけれど、三歩進んで二歩下がるように、得たり捨てたりしてもいいかなって。

アフリカのエッセンスとあらためて気づいた日本の良さをミックスして、新たな価値観をぎゅっと自分の中に。

(現地調達したアフリカ柄のワンピース©清水みさと

まだまだ、旅が大好きです。

まだまだ、うろちょろしながら人生を膨らませていきたいと思っています。

 

また来月、どこかに行ってきます。

Top image: © 清水みさと
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。