「結婚を前提としない彼氏がほしい」って、おかしいの?

「結婚を前提に付き合ってください!」というセリフは、子どもの頃からテレビや映画で耳にしてきたけれど。30代に足を踏み入れた私の生活圏内では、むしろ真逆のセリフと遭遇することのほうが増えたように思う。

 

「あぁそれ、ほんと多いよね。SNSの発信でもよく見かけるわ」

 

「え、やっぱり!そうだよね?」

 

つい先週、同い年の友だちと電話をしている時にも話題に上った。結婚を前提とせずに恋愛をしたいという考え方と、そのスタンスを肯定する人たちの声

結婚を見据えずに恋人が欲しいと大きな声で言えば、「ただ遊んでいたいだけでしょ」と簡単に結びつけられてしまうことも多いだろう。恋愛を進めた先に広がる様々な厄介ごとを抜きにして、一番美味しいと思うところだけを2人で楽しんでいたい、という理由で恋人関係を望む人もいる(当然、それを非難する権利は誰にもない)。けれどそれは一例で、人それぞれ行き着いた理由がある。

“普通の結婚”とされる法律婚の在り方に疑問を抱く人、一度結婚を経験してもう二度と同じ経験をしたくないと思う人、恋愛や結婚生活よりも自分のキャリアアップに人生を捧げたい人、そもそも結婚すること自体まったく興味がない人、今後の人生でたった一人を愛し抜くことなんて無理だと思う人……。

理由は人の数だけ存在していて、まったく同じ人生が存在しないのだから、寸分も狂いなく同じ理由だと言い切れることもない。

 

「ほら、例えばこの子とかもさ。今は結婚したくないけど、彼氏は欲しいからどうしたらいいわけ?って嘆いてて、めっちゃこの動画再生されてるんだけど」

 

そう言って友だちから送られてきたのは、NY在住のインフルエンサーMmily Bonaniさんの動画だった。

bananabonani / Instagram

私はまだ旦那は欲しくない、でも旦那になる可能性のない人と付き合いたいわけでもない。​​だって結婚する気がないなら彼氏の意味ってなに?

でもデートはしたい、だって楽しいじゃん。でも、ただデートするだけのだらしない関係はイヤだ。そういうのを求めるのってロクでもない男だし。ロクでもない男が欲しいわけじゃない。……マジこれどうしたらいいの?

 

「あはは、めっちゃ正直だねこの子(笑)」

 

「でしょ?でもこれ、ぶっちゃけわかるよなぁ」

 

「今すぐ結婚したいわけじゃないけど、自分と結婚する気のある彼氏が“今”欲しいのね。とはいえ今すぐ求婚されても困る、と」

 

「そうそう、むずくない?(笑)」

 

2024年8月にInstagramで公開された動画は、既に2285万回再生され、1.8万件のコメントが寄せられている(2024年9月現在)。

前述したように「なに言ってんのこの人?ただ遊びたいだけじゃん」とコメントする人もいれば、「そういう人のためにマッチングアプリがあるんだよ」と市場に促す人、「私が抱えてる思いとまさに同じでびっくりした」や「ありがとう発信してくれて」と感謝する人、リアクションもじつに様々だ。

 

恋人は欲しいけど結婚はしたくない、
子どもは欲しいけど結婚はしたくない。
結婚を抜いて繋がれる誰かを求める人もいれば、
結婚はしたいけど恋愛はしたくない、
結婚はしたいけど一緒に住みたくない。
何かを抜いた結婚を求める人もいる。

 

昔と違って各々の“理想”を自由に発信し、誰とでも繋がり合い、理解者を求められるのが今の時代。「正しさ」や「普通」なんてものは簡単にひっくり返る。他者の恋愛観を、自分の信じる誠実さで測ることだって、出来ないよなぁ。

Top image: © iStock.com/K-Angle
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。