【異例】アラブの小国、2030年の「タクシー完全EV化計画」を前倒しで達成
中東の経済都市として発展を遂げるドバイ。その隣に位置する小さな首長国アジュマーンが、世界に先駆けてタクシーの「完全EV化」を達成した。
2030年を目標とするUAE全体よりもはるかに早い達成は、世界に衝撃を与えている。石油依存からの脱却を図るUAEの挑戦が、未来都市へと続く道を切り拓き始めた。
2030年、タクシー完全EV化
異例の前倒しで達成
「Gulf News」によると、アジュマーンはタクシーの「完全EV化」という目標を、当初の2030年から大幅に前倒しして達成。水素や電気、ハイブリッドを動力源とする環境に優しいタクシーは、すでに2274台がアジュマーンの街を駆け巡っているという。
この偉業に対して、「2030年までに、すべてのタクシーを環境に優しい車両にするという目標を掲げていた。継続的な努力と綿密に練られた計画により、予定よりも早くこの目標を達成できた」と、交通局長官のオマル・ムハンマド・ローター氏は語った。
元を辿れば、彼らの挑戦は2015年のハイブリッド車導入から始まった。その後もタクシー会社へのエコフレンドリーな車両導入支援など、積極的な取り組みを継続してきた結果が、今回の快挙に繋がったと言えるだろう。
小さな国の大きな挑戦が
地球の未来を変える
2023年11月には、UAEで「COP28(第28回気候変動枠組条約締約国会議)」が開催された。気候変動対策が喫緊の課題として認識されるなか、アジュマーンのグリーンタクシーは、COP28の成功に向けた具体的な行動として、世界中から注目を集めることに。
国際エネルギー機関(IEA)の報告書によると、2022年時点で世界の電気タクシーは約100万台に達し、2030年には1000万台を超えると予測。世界的な脱炭素の流れのなか、タクシー業界でも電気自動車や水素自動車への移行が加速している。
砂漠のオアシスが実現したタクシー完全EV化。それは、地球全体の未来を明るく照らす希望の光なのかもしれない。私たちも、この小さな首長国の大きな挑戦を受け止め、今後も持続可能な社会の実現に向けて行動していく必要があるだろう。
👀 GenZ's Eye 👀
日本でも、大手タクシー会社「GO」をはじめとした企業のGX(グリーントランスフォーメーション)事業は推進されています。ですが、EVタクシー普及率はまだまだというのが現実。
「タクシーはEVがいい──」そんな声が、この国をアジュマーンに続く“タクシーのグリーン化先進国”へと前進させていくかもしれません。