たった9分の充電で966km走行可能。「サムスン」新型EVバッテリーを発表

先月、ソウルで開催されたエキスポ「SNE Battery Day 2024」の展示会において、テクノロジー企業「サムスン電子」が新型EVバッテリーを披露し大きな話題を呼んだ。

なんでも、たった9分間の充電で600マイル(約966km)の走行を可能とする、モンスター級のバッテリーらしい。

次世代EVバッテリーの
大いなる可能性

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サムスンでバッテリー開発を行う専門部門「サムスンSDI」によると、今回の新型バッテリーはすでに一部EVメーカーに納品しており、初期のフィードバックも非常に好意的とのこと。

9分間の急速充電で想像を遥かに超える走行距離を実現してしまうことにも驚きだが、新型バッテリーの大きな特徴はそれだけにあらず。バッテリーの寿命自体も長期化し、20年になるよう設計されているという。EVオーナーのメンテナンスコストや交換サイクルの負担もぐんと減ることになるだろう。

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今回のバッテリーに用いられたのは「全固体電池」と呼ばれるもの。従来のリチウム電池とは異なり、電解質を液体ではなく固体に置き換えた全固体電池は、軽量かつ小型、出力の面においても液体のそれを上回るという。あのトヨタも昨年より、次世代電気自動車(BEV)のコアとして全固体電池の開発・生産を開始したニュースが報じられたことは記憶に新しい。

「全固体電池」の量産化が
次世代EV市場を動かす

新型バッテリーの登場が次世代EVの可能性をさらに拡げると期待されるいっぽうで、現状、全固体電池が抱える課題も。ひとつは「コスト面」。各メーカーが開発に心血を注いではいるものの、いまだ大量生産には至っていない。リチウム電池と比較した場合、少なく見積もっても生産コストが3〜4倍と言われているだけに、量産化に向けた課題が高い壁となっているようだ。

ところが先日、光明差し込む一報が。

去る8月28日、「ロイター通信」が報じたところによると、「サムスンSDI」と米大手自動車メーカー「ゼネラル・モーターズ」は、インディアナ州でEV用バッテリーセル製造の合弁会社設立に合意。事業コストは約35億ドルで、年間製造能力は36ギガワット時規模になる模様。EV車に換算するとおよそ72万台分のバッテリー供給が実現できるレベルだという。

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安価で高性能な次世代EVバッテリーの量産を目論むサムスン。これが成功した暁にはEV市場に新風が吹き込まれるに違いない。

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