禁酒生活を過ごした英俳優トム・ホランド、満を持して「ノンアルビール」をプロデュース
映画『スパイダーマン』シリーズを筆頭に、世界的人気を誇るイリギスの俳優トム・ホランド。
このたび、自身のノンアルコールビールブランド「BERO」をローンチした。2年間の禁酒生活から生まれ、彼のライフスタイルを色濃く反映したこのプロジェクトに大注目が集まっている。
ゼン・デイヤお墨付き
2年の断酒生活が生んだ、新たな挑戦
「Variety」誌によると、ホランドは2022年に1ヵ月間お酒を断つ「Dry January」への挑戦したことをきっかけに、断酒を決意。意外にもアルコールを強く欲する自分に気づき、依存の可能性を感じたという。ホランドはのちにポッドキャスト番組にて「頭の中は常にお酒を飲むことばかり。時計とにらめっこして、あと何時間で飲める?と考えていた。正直、すごく怖かった」と、当時の心境を吐露している。
そして、2年に及ぶ断酒生活を続けるなかで生まれたのが、自身のライフスタイルを反映したノンアルコールビール「BERO」だ。
「BERO」は、彼の故郷であるイギリスへのオマージュを込めているそうで、3種類のフレーバーを展開。故郷キングストンにちなんだ爽やかな「Kingston Golden Pils」に、ホランドが通っていた小学校の名前を冠した「Edge Hill Hazy IPA」、そして愛犬と同じ名前の「Noon Wheat」。遊び心あふれるネーミングからも、彼の並々ならぬ想いが伝わってくる。
「断酒」だけがソバーにあらず
より柔軟かつ自由に
インタビューに対し、ホランドは「BEROは、ただ禁酒をしている人のためのビールではない。品質や職人技、そして人生を最大限に楽しみたいと思っているすべての人に向けたもの」と強調。
彼の言葉からは、高品質なノンアルコール飲料に対する需要の高まりだけでなく、従来のお酒に対する価値観の変化を読み取ることができる。それはまさに、近年世界的に注目を集めている「ソバーキュリアス」の潮流と共鳴するものだ。必ずしも禁酒主義者であることを意味しておらず「あえてお酒を飲まない時間や機会を積極的に作る」という、より柔軟で自由な価値観としても解釈できる。
従来の「お酒を飲んで騒ぐ」という画一的な楽しみ方から脱却し、より健康的で多様なライフスタイルを求める人々の高まりに彼は気づいていたのだろう。
消費者が求めるのは
ブランドの「顔」
ホランドのように、自身の経験をオープンに語り、共感を呼ぶことで、商品やサービスへの親近感を高めるマーケティング戦略は、現代において非常に大きな力をもつ。特に、SNSを通じて情報発信する機会が多い現代において、消費者は企業やブランドの「顔」が見えることを求めていると言えるだろう。
彼のプロジェクト「BERO」は、ノンアルコールビールという選択肢を提供するだけではなく、自分らしく生きることを肯定するメッセージも発信している。この挑戦が多くの人々に勇気を与え、新たな価値観を創造する大きなうねりとなるかもしれない。
なお、このビールはホランドの恋人でありビール嫌いとしても知られるゼン・デイヤが、忖度なしに認めるほどの美味しさ。気になる方はぜひチェックを。
👀GenZ's Eye👀
憧れの対象となる俳優などのセレブには、飲酒のイメージが強かった。そんななか「スパイダーマン」で知られるトム・ホランドが自身の断酒経験をオープンに語ることは、ソーバーキュリアスな若者の増加をさらに加速させるのではないだろうか。