コンビニ店内でお酒が飲める「バー」が登場
以前台湾を訪れた際、若者たちがコンビニでお酒を買い、そのまま店内のイートインスペースで飲み始めるという日本では考えられない光景を見た。しかし、近年日本でも同じようなスタイルのコンビニが増えつつあるらしい。
コンビニの中に「コンビニバー」と呼ばれる、小規模なバーを構える店舗。
「あらゆる生活シーンにバー文化を」というコンセプトを掲げる「お酒の美術館」と大手コンビニ店が手を組むことで誕生したこの新事業、2023年11月時点でファミリーマートに8店舗、ローソンに4店舗展開している。
ちなみに「お酒の美術館」は2017年の1号店オープン以来、テーブルチャージ無料、1杯500円から提供と気軽にお酒を楽しめることで評判となり、現在は京都府、大阪府、東京都などを中心に70店舗まで拡大。新たな挑戦として不特定多数の人とタッチポイントとなるコンビニに着目し、2020年より運営がスタートした。
コンビニ内の店舗では、コンビニ内で購入した食品を持ち込むことが可能。その他、ファミリーマートの看板メニュー「ファミチキ」に合うようブレンドされたハイボールや、ローソン内にある店舗では「からあげクン」に合うように開発されたウイスキーなど、コンビニ店内に店舗を置く強みを最大限活かしたメニューも用意されている。
コンビニ店内という気軽さから、「仕事終わりに軽く1〜2杯だけ飲んで帰る」という利用客も増えているとのこと。こういった普段ならバーに行かない層からも多く支持されるなど、歓迎の声が多い。
いっぽうでで、「店内で酔った客に絡まれる」「コンビニ利用が不安になる」など安全面を懸念する声も。老若男女あらゆる客層が利用するコンビニだけに、こうした懸念をどう払拭していくかが課題となるだろう。
文化的差異はあるものの“コンビニで一杯”が成立している国々もある。お酒の新たな楽しみ方として、新たなスタンダードとなりえるか。注目していきたい。