実は今、北米で禁酒が加速している
酒は百薬の長──。
こんな故事成語を一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。
「適切な量の飲酒であれば、それはどんな薬よりも効果がある」という意味の、なんとも都合のいい言葉である。しかし、昨今の北米では、この言葉を大きく否定するような動きが見られるようだ。
米国の「国立アルコール乱用およびアルコール依存症研究所」のジョージ・クーブ所長は、米国も将来的にカナダの禁酒基準に従うことになるだろうと述べたという。
ん?ちょっと待って。
「カナダの禁酒基準……??」と多くの人が思うはず。
じつは、2023年1月19日、英『ガーディアン』誌は、カナダの保健当局(CCSA)が「Prohibition 2.0」という名の禁酒ガイドラインを作成したと報じていた。これによれば、完全な禁酒を行うことがもっとも望ましいが、それが難しい場合でも飲酒は週に2杯までに制限するべきだということのようだ。
研究結果によれば、少量のアルコールであっても人体への悪影響があるということらしい。
実際のところ、このガイドラインは法的な拘束力を持つものではないとのこと。しかし、アメリカ・カナダにて禁酒への動きが広がりを見せていることは間違いないようだ。もちろん、数多くの否定派が存在することは容易に想像がつくし、政府関係者にもお酒好きが多いことから、完全に徹底されるかどうかは定かではない。
ちなみにその裏では、嗜好品の代替案として大麻の使用が広まりつつあるらしい。日本ではもちろん違法であるが、カナダやドイツなどで合法化が進みつつある。
「日本酒=Sake」という単語として通用するほどに、海外にも浸透している日本の立派な伝統文化。ある種地域の象徴的な存在でもあり、この文化を失ってしまうのはあまりにも惜しいだろう。
飲みの場でしか語り合えないような恋愛話や、壮大すぎて現実味がないような夢。そんな“深い話”を通じて、人と人との繋がりは出来ていくわけだから。
健康と文化。
さあ、あなたならどちらを選択しますか?