伝えにくい想いも、煙と香りにのせるだけ。新たなグリーフケアのかたち「お手紙香」
SNSの普及により、手軽に気持ちを伝えられるようになったいっぽうで、大切な人に伝えたい想いはうまく言葉にできないというもどかしさを感じることはないでしょうか?
たった5分だけ、心の中の本音を“煙”にのせて届けられる「お手紙香」は、そんな感情を昇華し、あなたの心を整えてくれるかもしれません。
手紙と香りに想いを込めて
グリーフケアの新たなカタチ
「株式会社フェリシモ」から発売される「お手紙香」は、約5分で燃え尽きる短冊型の小さなお線香。その一枚一枚に、伝えたい気持ちや届けたい言葉を手書きで書き込み、火を灯して使用します。
使い方はとてもシンプルで、専用の短冊にメッセージをしたためたあとに火を灯し、燃え尽きるまでの間は煙の行方を見守りながら、静かに心を落ち着かせるだけ。この線香は、大切な人への感謝の気持ちや伝えられなかった想いを煙に乗せて届けることで、心の整理やグリーフケアを促すアイテムとして開発されたとのこと。
大切な家族を失った悲しみや親友との別れ、過去の恋愛における心の傷……。近年「グリーフケア」が注目されるなかで、誰もが経験する心の痛みとどう向き合っていくべきか悩む人が増えているそうです。
従来のグリーフケアといえば、カウンセリングや自助グループへの参加など専門機関や他者との関わりが必要となるケースも多い印象でしたが、この「お手紙香」は自宅で、しかもパーソナルなペースで心のケアに取り組めるという点が画期的。また、ときにはデジタル機器から離れて自分の気持ちと向き合う時間を創出することで、心身のバランスを整える効果も期待できそうです。
あなただけのストーリーを
「香り」で紡ぐ
「お手紙香」の魅力は、手紙と香りの組み合わせによって視覚と嗅覚の両方に訴えかけるという点にも。デジタルコミュニケーションでは表現しきれない、繊細な感情を言葉で紡ぎ出す行為。6種類ある香りはそれぞれ異なる癒やしの効果をもたらし、リラックス効果を高めます。
たとえば「しあわせの花々」は、まるで花束を抱きしめているような甘く優しい香り。「やすらぎの木々」は、深い森の中で深呼吸をしているような穏やかで落ち着いた香り。「ぬくもりの果実」は、ほろ苦くもあたたかい柑橘系の香りが特徴。
楽しかった旅行の思い出、大切な人と過ごした時間、忘れられない風景……「お手紙香」の香りは、あなただけがもつ特別な思い出を呼び覚まし、心の奥底にしまい込んでいた感情を、そっと解き放ってくれるかもしれません。
たまにはそんな心のうちを手紙にしたため、優しい香りと共に煙にのせてみるのはいかがでしょうか。
👀GenZ's Eye👀
企画者であるこもりさんの言葉、「ちゃんと届くのかな?と煙が上がっていく様子を見届けた時、うつむいた顔が自然と上がっていることに気づかされました」という部分にグリーフケアの重要性を感じる。
弔いの言葉や、誰にも話せない悩みなど、インターネットに残すことも増えてきたけれど、煙になって消えていくという無常観に若干の日本文化を感じずにはいられない。あっという間に時間が過ぎる今こそ大切にしたい、何かと向き合う時間。「お手紙香」いいアイデアだと思います。