情報疲れにさよなら!進化系「リトリート」で新しい自分と出会う旅へ

「なんか毎日つまらない」「もっと自分らしい生き方をしたい」……そう感じているZ世代のあなたへ。

周りのみんなが楽しそうで、キラキラして見えて、焦燥感に駆られることもあるかもしれません。でも、ちょっと待って。心の奥底で本当に自分が求めているものはなんでしょう?

今、Z世代の間で注目を集めている「リトリート」は、そんな自分と向き合い、新たな一歩を踏み出すためのヒントを与えてくれるかもしれません。

自分と向き合う、特別な時間
リトリートとは?

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「リトリート」とは、日常の喧騒から離れ、心身をリフレッシュし、自分自身と向き合うための時間と空間。語源である英語の「Retreat」には、“退却する”“避難する”という意味があり、忙しい日常から意識的に距離を置くことを表しています。

従来の旅行とは異なり、リトリートは観光や娯楽を目的とするのではなく、自分自身と向き合い内面を見つめ直すことに重きを置く点が特徴です。ヨガや瞑想、温泉、自然散策など、多様なプログラムを通して感性を研ぎ澄まし、心の声に耳を傾ける。その過程で、日々のストレスから解放され、心身のバランスを取り戻し、新たな自分に出会うことができるのです。

デジタル社会が生んだリトリートブーム
Z世代が求める“真の豊かさ”

現代社会は、情報過多で常に刺激に溢れ、ストレスにさらされやすい環境です。とくににZ世代は、デジタルネイティブとして生まれた世代。スマートフォンやSNSが生活の一部となり、常に情報にアクセスできるいっぽうで、常に「つながっている」ことへの疲れや、自分を見失ってしまうような不安を抱える人も少なくありません。情報にさらされ、比較や競争にさらされるデジタル社会において、Z世代は、心身の健康や自分らしさを保つことの難しさを感じているのかもしれません。

このような時代背景のなか、リトリートはデジタルから離れ、自然の中で過ごすことで心身を休ませ、自分と向き合う貴重な機会を提供します。ヨガや瞑想を通して心を穏やかにしたり、温泉で体の芯から温まりリラックスしたり、自然の中で感覚を解放したり……リトリートは、自分自身と向き合い、心をリセットするための、現代人に必要な「心のデトックス」と言えるのではないでしょうか。

自分だけの体験を探して
Z世代に人気のリトリートプログラム

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さて、「リトリート」と聞いてヨガや瞑想のイメージを持つ人も多いかもしれません。もちろん、それらもリトリートの定番プログラムですが、近年では、Z世代の多様な価値観興味関心に合わせた、より個性的なリトリート体験を提供する施設も増えています。

たとえば、農業体験と組み合わせた「農泊×リトリート」は、自然の中で体を動かしながら、食や農業について学ぶことができる人気のプログラム。「農泊」とは、農林水産省によると「農山漁村地域において、宿泊施設に滞在し、その地域の自然、文化、人々との交流を楽しむ農山漁村滞在型旅行のこと定義されています。都会では味わえない、ゆったりとした時間の流れのなか、地元の人々との交流を通して、温かい心のつながりを感じることができるのも魅力です。

また、リゾート地で仕事と休暇を両立させる「ワーケーション」とリトリートを組み合わせたプランも人気上昇中。国土交通省観光庁はワーケーションをテレワーク等を活用し、普段の職場や自宅とは異なる場所で仕事をしつつ、自分の時間も過ごすこと定義しており、仕事もプライベートも充実させたいZ世代のニーズにマッチした、新しい働き方として注目されています。

その他にも、サウナをメインとしたリトリート施設の増加、マインドフルネスを取り入れたハイキング、アートセラピー、乗馬体験など、その選択肢は多岐に渡ります。

未来のリラックス体験
これからのリトリート

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リトリートは、単なる旅行ブームを超えて、Z世代のライフスタイルや価値観を反映した、よりパーソナルで多様な形へと進化を続けています。

今後ますます注目されるであろうトレンドの一つに、「サステナビリティ」と「テクノロジー」を融合させたリトリート体験があります。環境に配慮した施設運営、地元食材の活用、自然保護活動への参加などを通して、地球にも自分にも優しいリトリートを提供する施設が増えていくでしょう。また、VR技術を用いたバーチャルリトリートや、AIによるパーソナルなプログラム提案など、テクノロジーを活用した新しいリトリート体験も期待されます。

そして、リトリートは、地域活性化や社会貢献にも繋がる可能性を秘めています。地方の魅力を発掘し、地域経済の活性化に貢献するリトリートプログラムや、社会課題の解決に取り組むNPOと連携したリトリートなど、より社会的な意義を持ったリトリート体験が求められるようになるでしょう。

リトリートは、単に心身をリフレッシュするだけでなく、自分自身を見つめ直し、新たな価値観や生き方を探求する旅。これからの時代、ますます多様化していくリトリートは、Z世代にとって、自分らしい人生を創造するための、かけがえのない体験を提供してくれるはずです。

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