「ホップ」が切り開く、ウェルビーイング時代の新常識

健康意識の高まりから、発酵食品やハーブなど、自然由来の食品がもつ健康効果に注目が集まっている。意外かもしれないが、じつはビールの原料としてもお馴染みの「ホップ」は、古代からその薬効が利用されてきた健康成分ということがわかった。

ビール造りの名脇役
古代から続くホップの薬効

ホップはアサ科のつる性植物で、その毬花と呼ばれる部分がビールの原料となる。ビール特有の苦味や香りを加えるだけでなく、雑菌の繁殖を抑え、泡立ちを良くする役割も担っている。「National Geographic」によると、ホップがビールの醸造に用いられるようになったのは紀元8世紀頃からだが、薬効に着目した利用はさらに古く、古代ローマ時代から記録されているという。

ホップの実力は本物?
期待される様々な健康効果

近年、さまざまな研究によって、ホップに含まれるポリフェノールの一種「キサントフモール」に、抗酸化作用や抗炎症作用があることが明らかになってきた。血糖値の上昇抑制や、がん細胞の増殖抑制、認知機能の改善、骨粗鬆症の予防など、その効果は多岐に渡るという。

記事では、医薬品グレードのキサントフモールを1日24ミリグラム、8週間にわたって高用量投与しても、ヒトにとって安全であるという研究結果が紹介されている。さらに、クローン病患者20人を対象としたキサントフモールの試験結果が現在分析中であり、医療分野での活用も期待されるそうだ。

ヘルシー志向の新潮流
ホップが活躍する未来

ホップの健康効果への期待が高まるいっぽうで、近年は健康意識の高まりから、ノンアルコールビール市場も拡大している。ビールの苦味や風味はそのままに、アルコールだけを取り除いたノンアルコールビールは、従来のビールよりも気軽にホップの健康効果を享受できる選択肢として注目されている。

ホップは、古くから人類と深い関わりを持つ植物だが、その可能性はまだまだ未知数だ。健康食品としての需要が高まる中、ホップのさらなる可能性に期待が高まっている。

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有害なものも、健康的なものも、私たちが常に口にしている食べ物、飲み物から新たに発見されるのはなんだか怖さを覚えた。ノンアルコールビールが新たな健康飲料の仲間入りを果たす日は来るのだろうか。

Reference: @iStock.com / RyanJLane
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