古代エジプトのミイラに刻まれた「タトゥー」。そのワケとは……？

未だ謎多き、古代エジプトのミイラ。じつは、女性のミイラにはタトゥーが刻まれたものもあるのをご存じだろうか？

なぜタトゥーが彫られたのか。そして、タトゥーにはどのような意味が込められているのか——。

その理由に迫った研究が、学術誌『The Journal of Egyptian Archaeology』に掲載されたらしい。

研究によると、タトゥーはおそらく妊娠や出産、月経から女性を守るために彫られたという。というのも、タトゥーは女性の腰や臀部に刻まれていることが多かったからなんだそう。

また、ナイル川のほとりを表していると思われるタトゥーが彫られていたのも手がかりの1つ。なぜなら、ナイル川は妊娠中や月経中の女性が自分を落ち着かせるための場所とされていたからとのこと。

加えて、臀部にエジプト神の「ベス（Bes）」が彫られたミイラも見つかったらしい。「ベス」は、妊婦の守り神なんだそう。

ただ、現段階では「タトゥーは妊娠や出産、月経から女性を守るために彫られた」と断言はできないという。理由は、タトゥーのない女性のミイラも見つかっているからとのこと。

そのため、研究者たちは「助産師など、出産に関わる女性がタトゥーを入れていたのではないか」との仮説を立てているという。

果たして、真の理由が解明される日は来るのだろうか——。