ぶっちゃけ、「インド古代の健康法」って
現代人にも効くの?
環境問題、座りがちなライフスタイル、過度のストレス……。
生きているだけでいくつものストレスに悩まされる現代では、誰もが「健康と心の平和」を求めていることだろう。
心身ともに健康的な生活を送るためのアイテムや知恵はSNSでよく見かけるけど、情報量が多すぎてどれが自分に適してるかなんて分からない。それならいっそ、古代から伝わる健康法にしたがってみるのが、一番効果的なのでは……?
今回は、インドにおける古代の健康習慣と、それらを今日でも実践することが重要である理由について、ムンバイのヨガ研究所所長、Hansaji Yogendra博士の見解を基にご紹介。
よりよく生きるための知恵「アーユルヴェーダ」
まず、インドの健康法といえばヨガが真っ先に思い浮かぶが、古代インドの健康実践に関する知恵としては、五千年もの歴史をもつ「アーユルヴェーダ」も欠かせない。
サンスクリット語で生命科学を意味するこの伝統医療。これによると、人間の体質は「トリドーシャ」と呼ばれる3つの性質(ヴァータ・ピッタ・カパ)に分類され、それらが体内でバランスをとっていると考えられている。
トリドーシャのバランスが均衡な状態が健康的で望ましく、少しでも不均衡になれば、身体に不調が出るとされる。
そこで、トリドーシャのバランス回復と安定化に効果があるとされるのが「クリヤー」という浄化法だ。古代より実践され続けてきたこの療法は、以下の6種類から成り立っている。
1.ネティ(鼻洗浄)
→呼吸器の健康・精神的な明晰さと注意力の促進
2.ダウティ(消化管の浄化)
→消化改善、免疫力向上、胃腸系の若返り効果
3.ナウリ(腹部マッサージ)
→腹筋強化、全体的な代謝機能の向上
4.バスティ(結腸洗浄)
→腸の健康と活力の改善
5.カパラバディ(呼吸法)
→精神を明晰化、エネルギーレベルの向上
6.トラタカ(目の浄化)
→集中力向上、目の疲れを緩和、心の静けさを促進
それぞれのクリヤーは体の特定の領域をターゲットにしており、バランスよく行うことで体内に蓄積された不純物を取り除き、健康状態の改善を促すそうだ。
とはいえ、アーユルヴェーダを含め古代のインド医学には科学的根拠がまだ乏しく、結局スピリチュアルの域を出ないのでは?という不安もあるはず。
私たちはヨガを始めとした古来の健康法に「健康維持やダイエット」を求めてしまいがちだが、当時の彼らは“エゴ”を取り除いて本来の自分に戻り、神と繋がることを本来の目的としていた。
つまり、これらの実践法はすべて「本来の自分を知るため」のツールということ。
医薬品や治療法など、科学的根拠に基づいた現代技術の恩恵を受けつつ、足りない部分は古代の健康法に頼ってみる、というのが最もバランスの取れた付き合い方では?
悟りを開く……とまではいかずとも、自分を深く知れば、ストレスとの向き合い方なんて意外に簡単なのかもしれない。