「弾丸旅行」はもう古い!いま、旅のキーワードはスロー&ラグジュアリー
「せっかく旅行に行くなら、有名観光地は全部まわりたいし、写真映えも必須!」 そんなふうに予定を詰め込んでいませんか? でも、ちょっと待って。時間に追われる旅は、疲れてしまうことも。
今、旅慣れた人たちの間で注目を集めているのが「スロートラベル」。ひとつの場所にじっくりと滞在し、その土地の文化や自然、人々との触れ合いを楽しむ、新しい旅のスタイルです。そして、このスロートラベルをさらに特別なものにしてくれるのが、進化するラグジュアリー旅行のトレンド。
移動時間すら愛おしい
「ラグジュアリー列車旅」が魅せる
非日常の世界
旅行業界メディア「TTG Asia」の記事によると、ラグジュアリーな宿泊施設や移動手段を提供する旅行会社が、個性的なスロートラベル商品を続々と発表しているようです。
たとえば、豪華列車運行で知られるBelmondの「Eastern & Oriental Express」。2024年3月に運行を再開したシンガポールとマレーシアを結ぶ3泊4日の列車の旅は、ほとんどの航路でほぼ満席。Eastern & Oriental Expressの広報担当Nicolas Streff氏は、この列車の旅が「スロー・ラグジュアリー・トラベル」を体現していると強調します。車窓を流れる景色を眺めながら、ゆったりと食事や会話を楽しむ時間は、まさに"移動時間を買える贅沢"と言えそうですね。
ホテルを超えた体験を提供
「進化系クルーズ」
ホテル業界も、この流れに追随。インドネシアの高級リゾート「Ayana Komodo Waecicu Beach」は、2024年3月から宿泊客限定のクルーズ船「Ayana Lako di'a」の運航を開始しました。最大14名まで乗船可能なこの船で、ユネスコ世界遺産のコモド国立公園を巡る2泊3日の旅は、まさに“自分だけの秘密基地”。9つのスイートルーム、図書室、ラウンジ、バー、ダイニングエリアを備えた空間は、ラグジュアリーホテルそのもの。
さらに、ホテルチェーン「The Ritz-Carlton」も、2025年12月から2026年5月にかけて、全長約242mの豪華クルーズ客船「Luminara」をアジア太平洋地域で運航予定。東京、香港、シンガポール発着の10泊から15泊の旅程は、非日常的な空間で過ごす、忘れられない旅になることでしょう。
パーソナライズ化が加速させる
新時代のラグジュアリー旅行
これらの事例から見えてくるのは、従来の「高級=物質的な豊かさ」という価値観から、「精神的な豊かさ」や「個性的な体験」を重視する価値観への変化ではないでしょうか。時間に追われがちな現代社会において、スロートラベルは、自分と向き合い心をリフレッシュするための手段としても注目されています。旅行の選択肢が増え続けるなかで、本当に大切なものは何かをあらためて問い直すことが、これからの時代のラグジュアリーな旅を選択する上で、重要な鍵となるのではないでしょうか。
👀 GenZ's Eye 👀
「体験を買う」旅行において、私たちが求めているのは物質的豊かさではなく、精神的豊かさだと思う。移動という、いわば旅行の過程を贅沢時間に変えることは、私たちの体験をもっと豊かにし、幸せを感じさせてくれるはず。