ロストバゲージの不安にサヨナラ。旅の常識を変える「持ち物を探す」機能
近年の航空需要増加に伴い、残念ながら荷物の遅延や紛失といった、いわゆる「ロストバゲージ」も増加傾向にある。
こうした現状を打破すべく、アメリカのユナイテッド航空は、「Apple」の「持ち物を探す」機能を活用した、画期的なサービスを開始。これにより、乗客は自身の荷物の現在地をリアルタイムで追跡できるようになるという……!
スマホで一安心、旅のストレスを軽減
「TRAVEL NOIRE」によると、使い方は至ってシンプル。もしも目的地で自分の荷物が見つからなかった場合は、ユナイテッド航空のアプリから遅延荷物レポートを提出する。この際、事前に「AirTag」などをスーツケースに入れておけば、「持ち物を探す」機能で生成される位置情報共有用のリンクをレポートに含めることができるのだ。
すると、ユナイテッド航空の顧客サービス担当者が、共有された情報をもとに荷物の現在地を特定。迅速な対応を行ってくれるため、従来のようにただ不安な時間を過ごす必要はなくなるというわけだ。
「お客様は機内への荷物の積み込み状況をユナイテッドアプリで確認することができましたが、AirTagの情報は直接共有できませんでした。しかし、Appleの新しい"持ち物を探す"機能により、お客様はAirTagまたは対応アクセサリで荷物の正確な場所を把握できるようになり、さらに安心して旅行を楽しめるようになりました」と、ユナイテッド航空の最高顧客責任者David Kinzelman氏は語る。
「つながる旅」がもたらす、新たな可能性
このサービスは、単に荷物の位置情報を可視化するだけではない。旅行者の不安を解消することで、より自由で快適な旅の体験を後押しする可能性を秘めている。
たとえば、旅先でアクティブに動く予定の人なら、重い荷物を預け、身軽に観光を楽しめる。もしもホテルへの到着前に荷物が先に届いていることが確認できれば、ロビーでピックアップの手間もなく、スムーズにチェックインできるだろう。
また、お土産をたくさん買いすぎてしまった場合も、配送サービスを利用する代わりに、預け荷物として送る選択肢も考えられる。荷物の場所を常に把握できる安心感は、旅のプランニングの幅を広げてくれるはずだ。
パーソナライズ化が進む、未来の旅行体験
ユナイテッド航空の取り組みは、航空業界全体のトレンドとも言える「顧客体験のパーソナライズ化」を象徴する事例と言えるだろう。テクノロジーを活用し、個々のニーズに寄り添ったサービスを提供することで、顧客満足度を高め、他社との差別化を図ることが求められているのだ。
今回の新サービス導入によって、乗客はより安心して旅を楽しめるようになるだろう。そして、それは航空会社と乗客のあいだに、新たな信頼関係を築き上げる一歩となるに違いない。