私がインドに行って、すっかり失ってしまった「21の常識」
アメリカ人女性のDeliberate Wanderer氏(blog,http://deliberatewanderer.com/)は、旅行先のインドで、カルチャーショックに打ちのめされたようです。当たり前だと思っていたことが一つも通用しない。その事実に彼女は、それまで抱いていた「21の固定概念」を捨てたと「Matador Network」で書いています。
これこそ、旅の醍醐味!とも言えますが、ではいったい、インドは彼女からどんな常識を奪っていったのでしょう?
私がインドで捨てた
21のアメリカ的習慣
01.
モノゴトが
時間通りにいくこと
「時は金なり」という価値観で、今まで生きてきた私。インドでは、ひたすら待つことを学びました。あの国では「30分かかる」と言われたら、数時間と考えてまず間違いはありません。「3時に会いましょう」と言われたら、本を片手に待ち合わせ場所に向かった方が懸命。待たないことの方が珍しいのだから。
02.
当たり前のように、
「紙がある」トイレ
インドでは、じつに数百万人もの人々が、いまだにトイレットペーパーのない生活を送っているそうです。代わりとなるのは、バケツに汲んだ水と石鹸。そして、自分の手…。最初は驚いたけれど、不思議なことに人間、自然と慣れていくものです。いつしか、トイレットペーパーを使うよりも、こっちの方が清潔だってことに気づくはず。
03.
面倒くさい
欧米スタイルの結婚式
インドの結婚式に比べたら、欧米スタイルの結婚式がどれだけ楽チンかが分かります。あの国の結婚式が、一日で終わることはほとんどありません。さらには、本番の式以外にも、様々なお祝いのイベントが目白押し。結婚式のためだけに、何十年も前から準備をしている家族もいるんだとか。
04.
ド派手な配色は
敬遠するべき
私のお気に入りの黄色は、それほどアメリカ人が好んで着る色ではありません。でも、インドでは真っ黄色のパンジャビドレス(インドの女性用民族衣装)に、同色のスカーフを合わせて、よく着ていました。サフラン、インディゴ、パープル、ライムグリーンなど、極彩色のサリーを着こなすインド人女性のなかに入れば、逆にあなたが地味に見えるはず。
05.
プライベートな質問は
ノーコメント!
年収はどれくらい?子供は何人いるの?今の体重は?こうした立ち入ったことを、いちいち尋ねられることにも慣れっこに。どうせ聞きたいんでしょ?と、自分から諦めるようになってしまいました。むしろ、「初対面で聞いてくる?フツー」なんて、友達と話すキッカケにも。
06.
ホテルの階数の数え方
当然、世界共通でしょ?
レストランやホテルでは、1階のことを“グランドフロア”と呼び、その上が“1階”と呼ばれています。そのことに慣れるまでには、少々時間がかかりました。
07.
正直、期待していない
カスタマーサービス
インドのカスタマーサービスは良すぎるくらい。膝にナプキンを置いてくれるわ、グラスの水がなくなれば、すぐ注ぎにくるわできてくれます。アパートの警備員も、毎回、前を通る度に挨拶するために立ち上がってくれます。
08.
インドは一つの国という認識
世界最大の民主主義と無数の言語、文化、宗教や伝統が複雑に入り混じっている国、それがインド。ボリウッド映画に代表されるように、映画産業が盛んなイメージもありますが、現実にはそれもかなり限定された範囲でのこと。ヒンディー語が公用語となっていない地域も多々あります。州ごとに「国が違う」と思ってしまうほど。
09.
フォークとナイフ
もしくは、お箸で食事
素手でカレーとライスを食べることにもすぐ慣れました。むしろ、手を使って食べることの方が、フォークを使うよりもカレーとライスのバランスは調整しやすい!金属製のカトラリーを使って食事をするよりも、美味しく感じるはずです。
10.
社会は車よりも
歩く人優先
「渡っていいよ」の合図を自動車が出してくれるのを待っていては、いつまで経っても、道路を横断することなんてできません。インド人の友達が教えてくれた、“神の手”がなければ道をどうやって渡っていいのか分かりませんでした。その方法は、両手を突き出し、手のひらを車に向けて「絶対に止まる!」と自信を持って歩くこと。なぜか、これだと彼らは止まってくれるのです。
11.
乗り物には
定員制限がある
インドでは、牛が道路を渡るのと同じくらい、家族全員がバランスをとりながらスクーターに乗っている姿を、たびたび目撃します。5人家族で、重さに耐えられる!?と心配してしまう場面も珍しくありません。最初は信じられない光景でも、いつしかそれも納得してしまうようになるんです。
12.
祈りは静謐な時間
寺院内は音楽、礼拝の騒音、鈴の音、話し声など、無数の音が反響し合っています。ちゃんと静かに祈る場所もありますが、ヒンドゥー教の寺院でお祭が実施されているときなど、静けさの欠片すらありません。
13.
臭いが気になるのは
路地裏だけ
どこの国でも似たような問題に直面するものですが、ことインドに至っては、10億人以上の人々のための下水処理が不足していると言われています。下水とゴミの臭いを避けることは、容易なことではありません。でも、それをしばし忘れさせるのが、ジャスミンの花、お香、そしてタンドリー・チキンの香り。
14.
いわゆるインド料理
というジャンル
スパイスの発祥地はたしかインドだったはず。アメリカのインド料理店で出される、チキン・ティッカ・マサラ、ナン、マンゴーラッシーを、インド料理かと思っていた私。実際にインドに行くと、美味しいかどうかは別として、食文化は州ごとに大きく異なっています。ドーサ、マンゴーピクルス、チキン・ビリヤニ、カードなど、アンドラ地方のインド料理が、あの国を訪れたことのない人が持つ、インド料理のイメージだったのです。
15.
人口甘味料の味
パック包装されているオレンジジュースに、いかに人口甘味料が含まれているか。ただ、純粋にフレッシュなグァバとマンゴーを絞っただけのジュースを口にしたとき、それを思い知らされました。だって、味が違いすぎる!季節に関係なく、美味しい生ジュースを、いつでも手軽に飲むことができます。
16.
心地いいスペースが
保証されている
インドでバスに乗ったときに、前後左右に動けるということは、まだその乗り物に人が乗る十分なスペースがあるということ。食べているときも、並んでいるときも基本的にギュウギュウです。肩がぶつかり合う距離でも、移動する術をインドで学びました。
17.
商品には定価がある
値切り交渉は買い物の一部。定価なんて、あってないようなものです。表示されている価格よりも、半額以上安く、買い物ができてしまうことも。
18.
綿密におこなう
旅の計画
インドでは、大抵どこに行っても500年以上前の建物に遭遇することができます。歴史が深く刻み込まれた建物や文化が数多く保存されているから。全部、見終わることなんて不可能なくらい、たくさんの歴史にまつわる名所がありますよ。
19.
人に見られると
居心地が悪い
外国人はインドで目立ちます。ジロジロ見られるのも日常茶飯事。男性女性問わず、純粋な好奇心から、目が止まるのでしょう。見られるのが当たり前になります。
20.
スパイスと名の付くものは
ほぼ、手に入る
インドに来る前、私はスパイスに関してそこそこ詳しい方だと自覚していました。ところが、スパイスは本当に奥が深い!インドでは、「Kill-me-now-spicy(今すぐ殺して)」「I'll-be-on-the-toillet-for-weeks-spicy(数週間トイレに缶詰)」といった、今まで聞いたこともないような、エキゾチックなスパイスとの出会いがありました。
21.
考え方や価値観は
ひとつではない
インドは、自分の視野を広げ、世界の見方を変えてくれます。ガンジス川で女性が入浴している姿、チベット仏教の僧侶、交通渋滞をものともしないリクシャーの運転手、みんなでお祝いする結婚式など。インドで暮らすあらゆる人々の姿を目にして、今までの自分の考えや価値観が、180度変わってしまったことは、言うまでもありません。
Originally published on Matador.com
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