【海外では常識】あたらしい働き方に関して、知っておきたい7つのコト
働くことは、会社のためでしょうか。それとも、自分のためでしょうか。答えはひとつではありません。価値観が多様化している現代においては、生き生きと自分らしく働くことの価値が大きく見直されています。
自著『あたらしい働き方』から、自分に合った仕事選びのヒントと、社員を輝かせるための企業の取り組みについて紹介します。
01.
成果を上げるために
遊んでいるように働く
「私は、2001年にアメリカのシリコンバレーで訪れた会社で見た光景に衝撃を受けました。遊んでいるみたいに働いていたんです。その時、仕事は、もっと楽しくやって良かったのかと気付きました」
これは、現在順調な成長を遂げている、クラウド名刺管理サービスを手掛けるSansanの社長の言葉。
日本でも、楽しみながら働くことを支持する会社が増えています。なぜなら、そのほうが成果が上がるから。 では、どんな仕事が楽しいのか。そのひとつとして挙げられるのは、「前例がないことに取り組む」。 ルーティンの仕事で過去に連なる成果を求めるのではなく、あたらしいことを自分たちで作っていく。その面白味を、実感する。やりがい溢れる事業に取り組む会社が今、続々と出始めています。
02.
ルールは縛られるものではなく
自発的に動くためのもの
仕事の楽しさや満足度に大きな影響を与えているもののひとつとして、自由度が挙げられます。
ある世界的なIT企業では、目標が会社や上司から降りてくることはないといいます。目標は自分で決める。そして、みんなチャレンジングな目標しか作らない。低い目標を立てて100%達成するよりも、難しい目標を立てて80%しか達成できなかったほうが評価が高くなることもあるそうです。
また、こちらも世界的IT企業のセールスフォース・ドットコムでは、社員が自由に発信できる社内Twitterのような仕組みがあったり、こういう仕事がやりたい、と申し出ることができる「オープンマーケティング」という仕組みがあったり、社員を縛り付けるようなルールよりも、社員が自発的に動けるルールを作っています。
03.
社員の自由度が
企業の競争力を上げる
「今は世界中の会社が競合になりうる。賃金で比べると、10分の1、100分の1で同じ仕事をする人たちがたくさんいるわけです。クリエイティブで戦わなければ、勝ち目はない」
アメリカ西海岸のパロアルトに本拠を持つデザインコンサルティング会社IDEOのトム・ケリー氏の言葉です。
ビジネスで勝つ方程式は大きく変わっています。昔ならば、同じエリアにある他のメーカーがライバルだったため、勝つことはそれほど難しいことではなかった。しかし、今や世界中がライバルです。 社員に自由を与え、会社をイノベーティブにすることは、企業の競争力を高めることでもあります。そして、自由であるということは、社員のクリエイティビティが上がる会社である、ということも言えるのです。
04.
優秀な人材を
とことん追い求める「入社パス」
徹底的に頭脳労働にこだわり、急激に成長を遂げた日本企業があります。1996年に設立されたソフトウェア会社の、ワークスアプリケーションズです。
この会社の方針は、優秀な人材しか採用しない。そして、人の成長に徹底的に投資する。徹底的に優秀な人材を集めれば、会社は成長する。それを実践し、社員が成長を自ら勝ち取る場としてのプラットフォームを作り上げたのです。
他の会社に行った後も”内定”が生きている「入社パス」。一度退職しても戻ってこられる「カムバックパス」。毎年4万人の応募がある大規模なインターンシップ「問題解決能力発掘プログラム」。 結局、ほかの会社に入っても、半分近くがのちに入社パスを使ってワークスアプリケーションズに入社しているのだそう。 頭脳労働にこだわり、しっかりと適性を判断し、優秀な人材は逃さない。こういう会社もあるのです。
05.
趣味的に働きたいのか
作業的に働きたいのか
あたらしい働き方、というと自由で趣味的な会社をイメージされる人が多いかもしれません。実際に、好きなことを仕事にし、仕事が趣味になるような自由な環境をつくって成果を上げている企業もあります。
しかし、必ずしも趣味的ではなくても、社員が満足しており、ここで働きたいという人が多い会社もあります。 重要なことは、自分がどちらを志向するタイプなのか、ということ。実はビジョナリーに仕事をするほうが合っているのに、「こちらのほうがあたらしい働きかたかもしれない」と趣味的なほうを選択してしまうと、間違える危険性があるわけです。
06.
世界にインパクトを与える
お金よりも大切な価値
時代とともに、仕事をするモチベーションも大きく変わってきています。これまでは「会社が大きくなっていくこと」「自分の報酬が大きくなっていくこと」「ポジションが上がっていくこと」などがわかりやすいモチベーションでした。つまりは、お金や地位です。
今は、お金や地位に関心がないとは言いませんが、「どうやって世界を変えられるのか」「世の中にインパクトを与えるものをデザインしなければならない」、そういった使命感が強くなっているように感じます。
「会社を成功させたい」というのはモチベーションは、もちろんあるでしょう。その先に、「世の中にいい影響を与えよう」という空気が生まれる。それはハードワークの会社でも全社員が一生懸命働ける、大きなモチベーションになっているはずです。
07.
組織は自由を手に入れるための
「プラットフォーム」
FLASHアニメの制作で知られる、日本のディー・エル・イー。
社員にはクリエイターが大勢いますが、中にはフリーランスからこの会社の社員になった人もいます。
「 会社に帰属するのは、フリーだった彼らにとっては本来、不本意かもしれない。しかし、組織に所属することで、大きな仕事が、より社会的な影響力を与えられるような仕事ができるチャンスを手に入れられる。彼らはそう気づいたのかもしれません」
代表取締役の椎木隆太氏はこう言います。
クリエイターにとって、会社はいろいろな仕事ができるプラットフォームになっていると言えます。会社でなければできない自由な発想やダイナミックさを求めて、むしろ会社に所属する道を選ぶ、という選択もあるということです。
『あたらしい働き方』
コンテンツ提供元:本田直之