デジタル疲れを感じたら?世界が注目する「デジタルデトックス」最新事情
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「いいね!」の数、フォロワーの増加、最新トレンド……煌びやかなデジタル世界に夢中になっているZ世代。だが、その裏側で、心は疲弊しSOSを発信しているかもしれない。
常にスマホが手放せず、通知の音が気になって落ち着かない。そんな経験は誰にだってあるもの。それは、デジタル過多によって心が悲鳴を上げているサイン。デジタルからちょっと距離を置く「デジタルデトックス」で、充実した日々を取り戻してみてはいかがだろう。
情報過多な時代を生き抜く休息術
「デジタルデトックス」とは?
デジタルデトックスとは、スマホやパソコン、ゲームなどのデジタル機器から意識的に離れること。デジタル依存から抜け出し、心身をリフレッシュするのが目的。最近話題の「スマホ断食」もその一種だ。デジタルに支配されない、自分らしい生活を取り戻すための方法といえよう。
Z世代が直面する情報過多の現実
なぜ今、デジタルデトックスが必要なのか?
Z世代にとって、スマホやSNSはもはや空気のような存在。常に情報が流れ込み、友だちとの繋がりもデジタルが中心。でも、その便利さの裏側には、落とし穴も潜んでいる。
総務省の調査によると、10代のネット利用時間は1日平均4時間13分、20代のソーシャルメディア利用時間は平日平均87分という結果に。
LINE、TikTok、YouTube……次から次へと情報が押し寄せ、脳は休む間もなく情報処理を強いられている。その結果、集中力や思考力は低下し、創造性を阻害する要因にもなりかねない。さらに恐ろしいのは、ブルーライトによる睡眠不足、SNSでの人間関係のストレス、ネット依存による孤独感。こうしたデジタル疲れは、知らず知らずのうちに心身に深刻なダメージを与えている。
デジタルデトックスは、単なる流行りではなく、Z世代が健康的にデジタル社会を生き抜くための必須スキルになりつつあると言えるのではないだろうか。
世界で話題。Z世代を魅了する
デジタルデトックス最新トレンド
海外では、Z世代を中心に、さらに進化したデジタルデトックスの取り組みが注目を集めている。
たとえば、アメリカ発の「ドーパミン・ファスティング(dopamine fasting)」。ご存じドーパミンは、快楽や幸福感を感じる脳内物質。スマホやゲームなどの刺激的なデジタルコンテンツは、ドーパミンを大量に分泌させ、脳を興奮状態にさせる。このドーパミンに依存してしまうと、集中力や意欲が低下しやすくなるという。
そこでドーパミン・ファスティングは、一定期間これらの刺激から離れることで、ドーパミンへの感受性を取り戻し、より健全なデジタルライフを送ることを目指す方法として、シリコンバレーのビジネスパーソンを中心に広まり、多くのZ世代からも支持されるようになったトレンドだ。
また、フィンランドでは、森の中でデジタル機器から完全に離れ、自然と触れ合いながら心身をリフレッシュする「デジタルデトックス・キャンプ」が人気を集めている。2023年夏には、コトカハミナ地域の観光局「Visit Kotka-Hamina」が、観光客に対し、同地域ウルコ・タンミオ島でのスマホやスマートデバイスの使用を控えるよう呼びかけたことが話題に。
こうした事例は、デジタルネイティブ世代だからこそ、デジタルとの付き合い方を見直し、より充実した人生を送りたいという意識が高まっている証拠と言えるだろう。
テクノロジーと調和する新ライフスタイル
デジタルデトックスの未来
デジタルデトックスは、今後ますます私たちの生活に浸透していくと考えられる。企業も従業員の健康管理や生産性向上を目的として、デジタルデトックスを促進する取り組みを導入し始めている。
従業員が仕事とプライベートの時間を明確に区別できるように、「勤務時間外メール禁止」などのルールを設ける企業も増えている。また、デジタルデトックスを支援するアプリやサービスも続々と登場しており、自分に合った方法で手軽に実践できる環境が整いつつある。
デジタルデトックスは、単なるデジタルから離れる行為ではなく、デジタルと上手に付き合い、より豊かな人生を送るための、新しいライフスタイルと言えるだろう。