未来を動かす「ゼロエミッション」の波
気候変動、プラスチック問題、資源の枯渇……SNSでこんな言葉を目にするたび、「私たちの未来、大丈夫なのかな?」なんて不安になること、ありませんか? エコバッグ持参やマイボトルの活用も大切だけど、もっと根本的な解決策が必要なんじゃないかってモヤモヤしているZ世代も多いはず。そこで、いま世界中で注目されているのが「ゼロエミッション」について、あらためて。
ゼロエミッションの基礎知識から、私たちZ世代と未来を繋ぐ具体的なアクションまで、分かりやすく解説していきます。
「ゼロエミッション」ってどんな世界?
「ゼロエミッション」とは、温室効果ガスや廃棄物を排出しない、もしくは排出量と吸収量を均衡させることで、実質的な排出量をゼロにする取り組みのこと。簡単に言うと、「地球にやさしい暮らしを実現しよう」という壮大なチャレンジを言います。
私たちの生活は、電気やガス、ガソリンといった様々なエネルギーによって支えられています。でも、これらのエネルギーを生産したり、消費したりする過程では、どうしても二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスが排出されてしまうのが現状。そこで、太陽光や風力といった再生可能エネルギーの利用拡大や、エネルギー消費を減らす省エネ技術の開発などを通して、排出量を減らす努力が世界中で進められています。
世界が動き出した
2050年ゼロエミッションへの挑戦
世界各国では、ゼロエミッションに向けた具体的な目標が設定され、取り組みが加速しています。 たとえばEUでは、「欧州グリーンディール(European Green Deal)」という政策を通して、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標を掲げています。
2060年までにカーボンニュートラルの実現を宣言した中国も、再生可能エネルギーへの大規模な投資を行っています。 そして、日本でも2050年カーボンニュートラルを目指し、政府だけでなく、企業も積極的に動き出しています。たとえば、「トヨタ自動車株式会社」では、「トヨタ環境チャレンジ2050」と題し、2050年までにグローバル工場からのCO2排出量をゼロにする目標を掲げ、電気自動車の開発・普及に力を入れています。私たちZ世代が社会をリードする将来、ゼロエミッションの取り組みがさらに進展し、世界は大きく変わっていることでしょう。
私たちとつながるゼロエミッション企業
ゼロエミッションは、遠い未来の話ではなく、すでに私たちの身近なところでも始まっています。
たとえば、食品業界では、植物由来の原料を使った代替肉が注目を集めています。 米フードテック企業「Impossible Foods(インポッシブル・フーズ)」は、見た目も味も本物の牛肉そっくりの代替肉を開発し、ハンバーガーチェーンやレストランなどで販売を拡大。他にも、スイスの「Climeworks(クライムワークス)」は、大気中からCO2を直接回収する技術を開発し、地球温暖化対策に貢献しています。
さらには、海洋プラスチックごみを回収・分別し、再生素材を使用したアパレル製品を展開するスペイン発「ECOALF(エコアルフ)」など、環境負荷の少ない持続可能なビジネスモデルを展開する企業が、近年増えてきています。これらの企業の取り組みは、私たちZ世代の消費行動にも影響を与えていることは言うに及びません。環境に配慮した商品やサービスを選ぶ人が増えているのも頷けます。
ゼロエミッションでどんな未来が待ってる?
「国際連合」の報告によると、2050年までに世界の人口は97億人に達すると予測されており、資源の枯渇や環境問題への対策は、今後ますます重要になってきます。そんな未来に向けて、世界はカーボンニュートラルやゼロエミッションの実現を目指し、持続可能な社会の構築に挑戦しているわけです。
再生可能エネルギーの普及や、資源を循環させるサーキュラーエコノミーの推進などを通して、将来的には、環境と経済が調和した新しい社会システムが構築されていくはずです。
「環境問題って難しくて、自分には関係ない」と感じている人もいるかもしれません。 でも、一人ひとりがゼロエミッションについて学び、考え、行動を起こすことで、持続可能な未来を創造していくことができるはずです。