2050年、チョコが売り場から消える…かも。
チョコレートの未来。そんなこと、これまで考えたこともなかったかもしれません。でも、この先あと何年、「バレンタインデーにチョコはつきもの」と言えるのか。
2018年初頭に浮上したある記事によると、2050年までにチョコが消えてしまうかもしれない、と。その真相を「Food52」ライターValerio Farrisがリサーチ。
チョコに未来はあるのでしょうか?
さらば、チョコレート
カカオ栽培に迫る危機
新たな年への感動が薄れると同時に、ネット族と甘党派の目前に浮上したのは、「チョコレートが2050年までに絶滅する」という悲報。中には、2018年初の悪夢と捉える人もいたはずです。
日々上昇し続ける温度と、ますます乾燥していく気候のせいで、あと40年もしないうちにカカオはこの世から消え去る。こう警鐘を鳴らしたのは「Business Insider」。生産に必要とされる“湿り気があり温和な気候”なしでは、カカオもタスマニアタイガーのごとく姿をくらましてしまうとの主張でした。
科学的な側面にも触れ、なんとMars(そう、あのチョコレート会社)がカリフォルニア大学に出資し、温かい気候でもすくすくと育つ、遺伝子操作されたカカオの開発がスタートしているのだとか。とある科学者チームのもと、より丈夫で、より気候に適したカカオを細胞レベルから生み出すことを試みているそうです。もっと言うと、ここで使われているのは、低脂肪の豚を生み出す際に使われるDNAテクノロジー、CRISPRというもの。
気候変動はカカオ栽培の“天敵”も
そこは、農法でカバーできる
ですが、ネットを騒がせた記事が公開された後、彼らの論点が若干見当はずれだったことが明らかに。
そもそも彼らが引用した研究は、2016年初頭に実施されたもの。最新のそれではなかった。たしかにこの研究結果は、上昇する温度と湿度がカカオにさらす危機に触れていますが、どうやらそれは恐怖をそそるような“巧言”ではない様子。
と言うのも、現在世界のチョコレートのほとんどは、コートジボワール、ガーナ、もしくはインドネシアが生産地。変わりゆく気候が各地でチョコに望ましくない影響を与えているのはたしかですが、Michon ScottがClimate.govに公開した研究によると、“絶滅の危機”までは及ばないというから一安心。
「しっかり計画を練って、適応性をきちんと考えてあげれば、カカオ農場主は私たちが愛してやまないお菓子を今後も生産することができるはずです」
例えば、高い標高で育ててみたり、ブラジルで採用されている日陰で育つよう、熱帯雨林を植え直す農法(Cabruca)のロジックを採用するのもアリだとか。前述したMarsとカリフォルニア大学の試みにしても、立派な対策案のひとつ。
もちろん、Business Insiderの記事だって事実に基づくものだし、カカオ農家にとって気候変動が大きな不安要素であるのはまぎれもない事実。ですが、世界中のチョコレートラバーに
何はともあれ、記事にも登場した研究は、今日の農業経済が不安定であることを指摘しつつも、先進的な考え方に正しいプロセスを組み合わせられれば、チョコレートはまだ生き残ることができる、という前向きな未来も含んでいました。だから、どうかご安心を。