"バレなければOK"。MZ世代の暗黙のルールに隠された、新しい「効率」の定義

「仕事中にこっそり昼寝?」「出社記録のためだけにオフィスへ?」…そんな、ちょっと耳を疑うような行動が、Z世代・ミレニアル世代の間では「新しい常識」になりつつあるかもしれない。

アメリカの求人情報サイト Papers Owl の調査によると、18歳から34歳の回答者のうち、95%が職場の「ルール違反」は許容できると回答。さらに、34%はすでに「こっそり休憩を取ったり、健康なのに病欠を取ったりしたことがある」と回答している。もはや、一部の人がこっそり行う行為ではなく、世代全体に広がりつつあるといえるだろう。

「バレなければOK」? 彼らのルール bending はなぜ生まれるのか

同調査で明らかになった「ルール違反」の内容は、従来の常識では考えられないものも含まれている。AIを使用して業務を完了したことがあると回答した人は14%。在宅勤務中に業務時間中に昼寝をしたことがあると回答した人は11%にものぼる。

さらに、出社した記録を残すためだけに出社し、コーヒーを飲んでから別の場所で仕事をする「コーヒーバッジ」という行動も。36%が「過去12か月間に10回以上行ったことがある」と回答しており、新しい働き方として定着しつつある可能性もある。

なぜ、彼らは「ルール bending」ともとれる行動に出るのだろうか? そこには、従来の「時間」に基づいた評価システムへの疑問があると考えられる。成果主義や効率性が重視される現代において、働く場所や時間に縛られることに違和感を覚える人は少なくない。

実際、「仕事は時間ではなく成果で評価されるべき」という考え方が広まっている。Z世代・ミレニアル世代は、従来のルールに縛られることなく、効率的に成果を上げる方法を自ら模索している世代なのかもしれない。

"Work Smart" な働き方 - Z世代が生み出す、新しいワークスタイル

彼らの行動は、単なる「サボり」や「ズル」と断定してしまって良いのだろうか?

「Quiet Quitting」(職場に必要最低限の労力しか投入しない仕事の姿勢)という言葉が注目を集めているように、Z世代・ミレニアル世代は、仕事への価値観を変化させている。

彼らは、限られた時間の中で最大限の成果を上げるために、柔軟な発想と行動力で、新しいワークスタイルを生み出していると言えるのではないだろうか。

企業は、彼らの行動を「ルール違反」として片付けるのではなく、そこから新しい働き方のヒントを得るべきだ。柔軟性や自律性を重視した環境作りは、企業にとっても、従業員にとっても、より良い未来へと繋がるはずだ

Reference: papersowl
Top image: © wichayada suwanachun/iStock
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