「男性の育休」賛成が7割も、男性が抱えるホンネが厳しい……
共働き世帯が増加し、家事・育児分担の重要性が叫ばれる現代。そんななか、「男性の育児休業取得」は、もはや他人事ではない現実的な問題として、多くの人の関心を集めている。
時代の変化を感じる
「男性育休への高まる支持」
「株式会社ドリームプランニング」が実施したアンケート調査によると、男性の育児休業取得に対して約7割が「賛成」と回答。時代の変化に伴い、男性の育児参加への意識が高まっていることを示唆している。
また、男性の育児休業に関して、「男性も育児に積極的に参加すべき」と回答した人が43.8%ともっとも多く、次いで「男性も子どもとの絆を深めるために必要」が9.6%、「女性の育児負担を減らすために必要」が8.8%という結果に。
「出産は女性にとって多大な負担。育児は男性も積極的に分担すべき」(60代男性)
「負担が女性に行きがち。父親として自分の子どもを育てることは大事」(40代女性)
これらのコメントからは、従来の性別役割分担意識が変化し、男性も積極的に育児に関わるべきだという意識が広がりつつあることが伺える。
育休取得を阻む
「見えない壁」の存在
しかし、「令和4年度雇用均等基本調査」によると、現実には男性の育児休業取得率は女性の8割に対し、男性はわずか1割程度にとどまっている。育休取得を望む男性と、現実との間に、いったいどんな壁が立ちはだかっているのだろうか?
理想と現実のギャップ……
男性が抱える本音とは
前述のアンケート調査では、「理想と現実は違う」という意見や「取得したい気持ちはあるが、実際には難しい」という意見も複数見られた。
「会社での扱いが変わらないと男性は育児休暇をとれない」(50代男性)
「各家庭によって『経済的余裕』『仕事内容』『育児休業=休みとの勘違い』など状況が違うので、男性側の状況による」(30代女性)
これらの声からは、企業側の理解不足、キャリアへの影響に対する不安、収入減への不安など、男性が育休取得をためらう要因が浮かび上がる。
多様な働き方を選択できる社会へ
男性が育児休業を取得しやすい社会を実現するためには意識改革のほか、企業の取り組み、社会制度の整備など多角的なアプローチが必要だ。たとえば、企業は、育児休業を取得しやすい柔軟な制度設計や、男性社員が安心して育休を取得できる雰囲気づくりに取り組むことが重要になる。
社会全体では、男性が育児に参加することへの理解を深め、応援するムードを醸成していくことも重要。行政による経済的な支援策の拡充も、男性の育休取得を後押しする大きな力になるはずだ。
個人の意識、企業の行動、そして社会システムの変革。三位一体の取り組みによって、男性が育休を当たり前に取得できる社会の実現を目指したい。
👀 GenZ's Eye 👀
男性の育休に対し(同アンケートでは3%)反対する人がいることも事実。反対する理由として、「本人のキャリアの遅れ」だけでなく、「他社員へのしわ寄せ」や「育休期間中の経済的保障ができない」など、経営陣視点での懸念もあるのかもしれません。「トップが変われば、組織も変わる」とはよく言ったものですが、会社全体で意識改革やシステム構築に取り組む必要性がありそうです。