いまさら聞けない「クリエイターエコノミー」とは?
この1〜2年で、さまざまな記事や書籍で話題になることが増えた「クリエイターエコノミー」。働き方やライフスタイルを考える上で、大きな転換点と言っても過言ではありません。
この記事では、クリエイターエコノミーとはなにか、注目される理由や事例を交えながら解説します。
クリエイターエコノミーとは?
UUUM株式会社、note株式会社、BASE株式会社の3社が代表理事となり、2021年に設立されたクリエイターエコノミー協会によれば、
「クリエイターエコノミーとは個人の情報発信やアクションによって形成される経済圏」
と説明されています。
かつてはクリエイターといえば、作家、写真家、画家、歌手、映画監督といった一部の表現者やプロフェッショナルを指すことが一般的でしたが、 SNSやプラットフォームが発展したことで誰もがクリエイターになれる時代へと移り変わり、コンテンツや作品づくりを通して、収益化が目指せるようになってきました。
具体的には、自身のファンからの投げ銭やサブスクリプションで継続的な収益を得たり、オリジナルのグッズやイベントを開発・販売することで収益モデルとして成立させるといったものです。
なぜ今、クリエイターエコノミーが
注目されているのか
SNSを中心にした多様なプラットフォームにより「誰でも発信できるようになった」というのは、人類の歴史において大きな転換点であることは間違いありません。同時に、その市場規模が急速に伸びていることもクリエイターエコノミーが注目される理由のひとつです。
「NeoReach Social Intelligence API」と「Influencer Marketing Hub」共同調査によれば、2021年5月時点でのクリエイターエコノミーの総市場規模は、約1,042億ドル(約12兆円)と推定。
テクノロジーの発展やコロナ禍の影響もあり、オンラインでのワークシェアが拡大したことも大きく関係していると言われます。
大企業だけが巨額の予算を投じてコンテンツを生む、という時代から、個人が主役になる時代へと転換しています。それは、普段みなさんが触れているSNSや消費行動を思い出しても納得感があるのではないでしょうか。
クリエイターエコノミーには
どんなものがある?
クリエイターが活躍しているプラットフォームについては、インスタグラマーやYouTuber、ティックトッカーといった今では比較的想像がつきやすい職種にとどまらず、音声メディア×有料コンテンツ、ライバー×Eコマース、ゲーム×メタバース、といったように、さまざまなプラットフォームとマネタイズ手法がクロスオーバーしながら拡大していることも理由として挙げられるでしょう。
また、アーティストやジャーナリストのように、従来はその作品や原稿をどこかに帰属させたり、仲介してもらわないと成立しづらかったクリエイターたちも、直接ファンや読者と結びつくことが可能になり、NFTやニュースレターのような形で新たな経済圏を生み出しています。
また、クラウドファンディングを通じてクリエイター支援をしたり、活動内容やフィロソフィーに共感した上でサポートしていく、といった動きもとても現代的です。
たとえばアメリカ発のプラットフォーム「Patreon(パトレオン)」は、音楽やコミックなどのコアなファンに向け、有料のメンバーシップ制度を簡単につくることができ、投げ銭されたお金がそのままクリエイターの活動資金になるというサービスです。価格ランクごとに還元するコンテンツを設定できるなど、クリエイターにとっては広告やアルゴリズムに左右されない収益源を得ることができるのです。
まとめ
個人の持つ能力やスキルを最大限に活かして活躍できるという、ひと昔前では考えられなかったようなことが、今まさに世界の新しい価値基準として巻き起こっています。
さらなる加速が予測される「クリエイターエコノミー」。この記事が今後のキャリアやライフワークバランスを考える上でのヒントとなれば嬉しいです。