シュウウエムラ、JDWAと協働で大学生のデジタルウェルビーイングを支援する無料ワークショップを開始

スマートフォンやSNSが生活に不可欠なツールとなった現代社会において、若者たちのデジタル機器との付き合い方は新たな課題を生んでいる。

特に大学生や専門学生の間では、デジタルの過度な使用による依存傾向や、それに伴うメンタルヘルスの悪化が深刻な問題として顕在化している。

この状況に対し、コスメブランドのシュウウエムラと一般社団法人日本デジタルウェルビーイング協会(JDWA)が手を取り合い、大学生の“デジタルとのより良い関係”構築を支援する予防教育プロジェクト『Connected, not Addictedーリアルにつながろう』をCSR活動の一環として無償で全国展開している。

大学生の3割が直面するデジタル依存の影

JDWAによると、いまや日本の大学生の約3割が何らかの形でデジタル依存的な状態にあるというという。

この依存は、学業不振や留年、昼夜逆転といった生活リズムの乱れ、さらにはうつ状態など、学生たちの心身に多大な影響を及ぼす。彼らがテクノロジーと共に生きる上で、心の健康を保ち、“つながる自由”と“離れる勇気”を主体的に獲得することは喫緊の課題と言える。

シュウウエムラは、1967年にメイクアップアーティスト植村秀によって創設された日本発のブランド。「美しいメイクアップは、美しい素肌からはじまる」という哲学のもと、個々の美しさを引き出す製品を提供し続けてきた。

そのシュウウエムラがデジタル依存という社会課題に取り組むのは、表面的な美しさだけでなく、若者たちが内面から輝き、健やかな学生生活を送ることを支援したいという企業としてのアプローチ。

このプロジェクトは、彼らの包括的なアプローチによる“個性美”の提案を、社会貢献という形で実践するものだ。

© shuuemuracosmetics/YouTube

心理学に基づいた3ステップで築く、デジタルとの健全な関係

JDWAが提供するワークショッププログラムは、臨床心理学的なアプローチに基づき、学生たちが自身の状態を客観的に理解し、具体的な行動変容を促すことを目的としている。

所要時間は60分から90分で、対面またはオンライン形式に対応可能。講師料やプログラム提供料はシュウウエムラが負担するため、大学側は費用を気にせず導入できる。

© 一般社団法人日本デジタルウェルビーイング協会

ワークショップは、対話とワークを中心としたインタラクティブな3ステップで構成される。

1.気づく(Awareness)

2.評価する(Assessment)

3.行動する(Action)

まず「気づく(Awareness)」の段階では、デジタル依存がどのようにして起こるのか、そのメカニズムや見過ごされがちな「6つのサイン」について知識を深める。

次に「評価する(Assessment)」では、専門的なデジタル依存症チェックテストを用いて、参加者一人ひとりが自身の依存傾向を客観的に把握する。

そして最後の「行動する(Action)」のステップでは、得られた気づきと自己評価を踏まえ、デジタルデバイスとより健全な関係を築くための具体的な行動計画(アクションプラン)を自ら考え、策定する。

このプログラムは、単に情報を提供するだけでなく、学生たちが主体的に考え、安心して対話できる場を提供することに重きを置いている。

それは、ネット・ゲーム依存の予防回復支援やリテラシー教育に長年携わってきたJDWA代表理事であり、臨床心理士・公認心理師でもある森山沙耶氏の専門性と経験が色濃く反映されたものと言えよう。

昨年度は青山学院大学×『VOGUE JAPAN』による新世代ビューティーイベント「VOGUE BEAUTY NEXT」にて開催 © 一般社団法人日本デジタルウェルビーイング協会

全国の大学へ無償提供。未来への投資に

このプロジェクトは、2025年度の開催を希望する大学・専門学校関連団体の募集を5月より開始した。

学生課や学生相談室、学生団体など、学生支援に携わる関係者にとって、これは学生のメンタルヘルスケアやキャリア形成支援の新たな一手となり得る。

昨年度は青山学院大学と『VOGUE JAPAN』が共催した新世代ビューティーイベント「VOGUE BEAUTY NEXT」でも実施され、参加した学生からは「デジタルとの付き合い方を見直すきっかけになった」「依存を防ぐためにさまざまな方法があることが知れた」といった肯定的な声が多く寄せられたという。また、大学教員からも「学生の実態が知れ、対応を考えるきっかけとなった」との評価を得ている。

本プロジェクトは、デジタル社会を生きる若者たちが直面する課題に対し、具体的な解決策を提示する試みだ。

それは、企業と専門機関がそれぞれの強みを生かして社会貢献を果たす、新しい産学連携の形とも言えるだろう。デジタル技術がもたらす恩恵を享受しつつも、それに振り回されることなく、自分らしい豊かな人生を歩むために。このワークショップが、多くの学生にとってその第一歩となることが期待される。

■プログラム概要

 

対象:大学生・専門学生 

時間:60〜90分(ご希望に応じて調整可能) 

形式:対面/オンラインいずれも対応 

費用:無料(講師料・プログラム提供料等)

© 一般社団法人日本デジタルウェルビーイング協会

■お問い合わせ・導入のご相談

 

大学関係者・学生団体の皆様からのお問い合わせを随時受け付けております。まずは下記のフォームからお気軽にご連絡ください。

 

お問い合わせフォーム:https://connected-not-addicted.jdwa.jp/contact/

Top image: © 一般社団法人日本デジタルウェルビーイング協会
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