ファッション業界で「中世xハードコア」がトレンドに。甲冑風の衣装など斬新アイテムが続々
若者文化に関するニュースレター『Mixed Feelings』が、初の印刷版となる雑誌「The Medievalist」にて「Medievalcore(中世コア)」と呼ばれるトレンドを特集している。
ファッション界に広がる中世の美学
「Medievalcore」とは、中世の美学やスタイルを取り入れたファッショントレンドを指す。
『Teen Vogue』の記事によれば、DiorやAnn Demeulemeester、Burberryといったブランドのランウェイにも、騎士を思わせるようなデザインが登場しており、このトレンドが広がりを見せているようだ。
『Mixed Feelings』は、この文化的な潮流を正面から取り上げ、ロマンタジー小説の台頭やルネッサンス・フェア風の服装など、様々な切り口で特集している。雑誌はオンラインと、ニューヨークの書店Soho News Internationalで限定販売される。
雑誌が表現する世界観と関係者の視点
雑誌の中心企画は、メイクアップアーティストのAnya Tisdaleをモデルにしたフォトストーリー。
金属プレートの衣装やフリルを重ね着したTisdaleの姿は、過去と現代のスタイルが融合した新しい表現となっている。
『Mixed Feelings』の編集ディレクターであるAmalie MacGowan氏は、『Teen Vogue』に対し、「創刊号を中世に関するものに捧げるのは直感的なことだと感じた」とコメントしている。
また、アートディレクターのLogan Tsugita氏は、このトレンドについて、人々が騎士や妖精になりきって現実から逃れたいという願望の表れである可能性や、あるいは権利が後退しているかのような現代社会への無意識の反応かもしれない、との見方を示した。
ファンタジーを通して現代を映す試み
創刊編集者のMi-Anne Chan氏は、「世界観の構築はMixed Feelingsの重要な要素」だと語っている。
『Teen Vogue』によると、不確実な時代においてはファンタジーが受け入れられやすい傾向があるとされ、「The Medievalist」もそうした側面を意図しているのかもしれない。
Chan氏は、この雑誌が「純粋なファンタジーに少しのいたずら心を加えたもの」だと表現した。






