岡山はデニムや帆布だけじゃない! 意外な素材で作ったバッグの実力とは?
よくよく見ると、マットな素材のなかにも上品な光沢が確認できる独特の質感。これらのバッグ、じつはすべて畳の縁の部分「畳縁(たたみべり)」でできているんです。
元建築士が、畳縁をバッグに変えた3つの理由とは?
これらのアイテムを制作したのは、「TATAMI_EN」の島田誠氏。若干25歳ながら、「TATAMI_EN」の代表として、鞄のデザイン、製造、販売を一人で行っています。
以前は建築設計士だったという島田氏が、なぜ畳縁をファッションアイテムとして活用しようと思ったのか? その理由は3つあるそうです。
「まず、建築に携わるなかで、和が非日常化し、嗜好的なアプローチが多くなったことに気づいたんです。もっとフランクに和を感じられる(身につけられる)ものがあってもいいんじゃないかと考えたわけです。
また、畳縁が“守る布”というところに面白みも感じました。昔から畳に使われていたイグサの角を守るために使用されてきたものですし、畳縁を踏んではいけないといった文化があるように、結界のような役割もある。そんなバックグラウンドも含め、現代のデザインと融合させることで新しいプロダクトとしての可能性があると思ったんです。
なによりも、デザイナーとして畳縁という素材に惹かれたというのもあります。狭間(80㎜)、長尺(1ロット、40m)、丈夫でありながら軽量(建築資材として強度を満たすために現在ではナイロンやポリエステルなどの化学繊維へのシフトいる)。こんなファブリックは他にはありません。そして、自分が生まれ育った岡山県倉敷市が畳縁の産地で身近だったことも興味を持ったひとつの理由でしょうね」
機能性とオリジナリティに、海外からも熱視線が!
「TATAMI_EN」のプロダクトの購入層は幅広く、20代から60代だと言います。さらに、最近では西洋人を中心とした観光客にも好評だとか。
「畳縁のカラーバリエションに驚きました」
「革や帆布のバッグに比べて軽い!」
「光沢から高級感を演出できる」
「なんといっても丈夫さ! 安心して使えます」
「ブックカバーや小銭入れといったラインナップも楽しい」
「細幅を繋ぎ合わせて出来るストライプに惹かれます」
これらは実際に購入した人たちの声。和の素材を使っているという面白みだけでなく、きちんと機能性とデザインが評価されていることが伺えます。
「それどこの?」と聞かれた時に、語ることのできる背景があるプロダクト。とても素敵です!