「富士山抹茶缶」がカフェになった!“地元愛”が詰まった富士の新名所へ
富士山の麓から生まれた、ちょっとユニークな抹茶プロジェクトが、今あらためて注目を集めています。アートと茶文化、地域とのつながり。そのすべてを1缶に詰め込んだ「富士山抹茶缶」は、発売当初から多くの人の目を引き、静かに話題となりました。
そして2025年9月15日、その世界観がリアルな空間として立ち上がります。場所は、静岡県富士市の老舗和菓子店「田子の月 鷹岡店」の一角を間借りする形で運営される、「株式会社EN.」による初の直営カフェ。
単に飲食を提供するだけでなく、地元の自然・人・文化と来訪者をつなぐ「入口」としての機能が期待されているようです。
アートと茶から始まった地域再編集

富士山抹茶カフェは、2024年に静岡県の地域創生プロジェクト「ChaOI」の一環として始まった「富士山抹茶プロジェクト」から生まれたもの。同プロジェクトは、アートと抹茶、そして地域資源を融合させる取り組みであり、先述のとおり、その第一弾商品として発売された『富士山抹茶缶』は、富士市産の茶葉を使用した高品質な抹茶と洗練されたデザインで注目を集めました。
このプロジェクトを推進しているのが、EN.。同社は、地域に存在する当たり前の価値を、デザインやストーリーテリングの力で再編集することを理念としています。アートディレクター、茶農家、和菓子職人など、異なる専門性を持つ地元のプレイヤーと連携しながら、「地元にある日常の価値を物語として再発見する」アプローチを取ってきました。
カフェはこの取り組みの延長線上に位置し、訪れた人に「富士山抹茶」をリアルに体験できる空間として設計されています。
地元農家との協働
“本物の抹茶”を味わう場として
富士山抹茶カフェの特徴のひとつは、富士市の茶農家「Msカンパニー」との深い協働関係にあります。EN.は原料調達先としてではなく、生産者との「二人三脚」で商品開発やブランド構築を行ってきました。カフェでは、その抹茶を単に飲むのではなく、「育てた人の想いごと味わう場」としての設計思想があるようです。
提供されるメニューは、「富士山抹茶ラテ」「富士山抹茶塩レモンソーダ」「富士山抹茶ロールケーキ」「富士山抹茶チーズケーキ」など、抹茶ドリンクやスイーツが中心。いずれも、富士市の自然環境で育ったシングルオリジンの抹茶を活かした本格的な内容であり、地域資源の品質の高さを直接体感できます。
空間演出においても、EN.らしい美意識が随所に反映されており、アートプロジェクトの延長として、飲食体験を越えた「場の価値」を提供してくれるようです。
富士山の麓から
抹茶の新しい魅力を伝える拠点へ
富士山抹茶カフェは、単体の飲食店にとどまらず、今後の地域戦略の起点となる拠点でもあるようで、EN.は以下のような将来的な展開を構想しているそう。
市内各地への抹茶体験拠点の展開
茶と観光・ウェルネスを結びつけた「ティーツーリズム」の推進
地元の若者が茶農業に関心を持ち、継承したいと思える社会の実現
「お茶のまち・富士」という地域ブランドの国際的認知
こうした動きは、地域資源を「消費」ではなく、「誇りと循環を生む価値」として再構築する試みであり、地方創生の新たなモデルケースとも言えるのではないでしょうか。

『Mt. FUJI MATCHA CAFE(富士山抹茶カフェ)』
【場所】田子の月 鷹岡店(静岡県富士市久沢848-1)
【オープン日】2025年9月15日(月)
【営業日】毎週月曜・火曜
【営業時間】11:00〜17:00(16:30 LO)
※記事内容に一部誤りがあり、2025年9月16日の時点で更新をいたしました。






