「おもてなしの心」が生んだ、日本伝統の大食い競争

何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。

それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。

アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?

わんこそば記念日

人生で一度は経験してみたい「わんこそば」。岩手県の名物のアレです。

今日はわんこそば記念日だそうで。1980年から開催される恒例行事「わんこそば全日本大会」が毎年2月11日に開催されることから、発祥の地とされる花巻市の運営委員会がこの日を記念日に制定しました。

第64回を迎える大会は残念ながら、新型コロナウイルスの影響により昨年に続き中止となってしまいましたが、岩手を訪れる機会がありましたら、ぜひ試してみてはいかがでしょうか?

さて、わんこそばの「わんこ」は「椀子」と書くように小さめのお椀に分けた蕎麦が提供されるわけですが……

「はい、どんど〜ん」
「はい、じゃんじゃ〜ん」

お椀に次々と給仕される一口蕎麦を給仕さんの小気味よい掛け声とともにリズム良く胃袋に収めていくわけです。なんでも、お腹いっぱいになってもお椀にフタをしない限りは終われないらしく、その辺りのルールを満腹感に襲われても覚えていられるかがキーになりそう。

未体験の人は、食べ方指南の動画でまずはイメトレを!

© MTCA video / YouTube

それにつけても、なんだってこんなチャレンジングな郷土料理が誕生したんでしょう。

わんこそばの歴史は古く400年以上前の江戸時代に遡ります。陸奥国盛岡藩の初代藩主で南部家27代南部利直が江戸へと上る途中、花巻に立ち寄った利直に土地の人々は郷土名産の蕎麦を提供したそうです。

風味絶佳な蕎麦をいたく気に入った利直。何度もおかわりをしたそうで、蕎麦を腕にもって差し出したことから、これが「わんこそば」と呼ばれるようになり、今日の腕を重ねて食べ続けるというスタイルになったんだとか。

「もう食えない」
「いやいや、もっと食べてって」
「もう満腹」
「なにをご冗談を」

なんて具合にもてなしたかどうかは知りませんが、そもそもは、おもてなしの心がわんこそばのスタート。

大会や競技のイメージから、大食い、早食いにも思えてしまいますが、根底にあるのは“おもてなし”。おいしい蕎麦を好きなだけ召し上がってくださいな。というわけです。

来年は晴れて大会が開催されることを望むばかりですが、現在の最高記録は、2016年に打ちたてられた258杯(制限時間5分)。かけそば約26杯分に相当する量になります。

リズムがなにより大事なんだろうなぁ。来年、この記録を打ち破る猛者が現れるか!

 

Top image: © tipwam/Shutterstock.com
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。