え、渋谷じゃないんだ。日本初「スクランブル交差点」どこにできた?

何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。

それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。

アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?

日本初のスクランブル交差点が誕生

世界でもっとも混雑し、おそらく世界でもっとも有名な交差点といえば、「渋谷スクランブル交差点」で間違いないでしょう。

10車線の道路に5本の横断歩道がかかるこの交差点。多いときは1回の青信号に1000人以上が、1日で50万人近くが行き交うと言われています。

なのに……年越しのカウントダウンやハロウィーンでもないかぎり、どんなに交通量や人通りが多くても、渋滞が起きることはめったになく、いつも正常に機能しているんだからフシギ。

国民性と言ってしまえばそれまでだけど、それにしたってあの光景は見ているだけでもおもしろいもですよね。

そんなもんだから、日本を訪れる外国人観光客にも大人気。交差点の真ん中で記念撮影をしたり、動画を回しながら横断する姿をよく目にしました。CNN Travelが選ぶ「コロナ終息後に訪れたい21の街」にもリストアップされていたように、日本を代表する観光スポットとしての注目度はやはり抜群のようです。

© cnntravel / Instagram

さて、そんな渋谷駅前交差点がスクランブル化されたのは1973年のこと。先駆けて1971年に登場した新宿駅東口、さらには世田谷区、練馬区、墨田区、大田区、調布市などでの実装を経て、渋谷駅にも導入されました。

では、日本初のスクランブル交差点は、どこだと思います?
青山?丸の内?梅田?博多?

いいえ、それは熊本県熊本市の子飼交差点。1968年3月5日のことだそう(日付には諸説あり12月1日とする説もあります)。

人と車でひしめく大都市部の駅周辺と思いきや、意外にも地方都市の名もなき(なんて言ったら失礼ですが)交差点だなんて。

なんでも60年代後半は交通渋滞で有名なスポットだったらしく、対策に窮していた熊本県警は、アメリカで話題となっていた新交通システム(つまりはスクランブル化)に着想を得て、これを導入。

熊本大学や子飼商店街、市電の停留所へと向かう人々の流れと自動車を分離するスクランブル化が、渋滞緩和の打開策となったんだとか。

もちろん、現在でもスクランブル化されている子飼交差点。“世界一有名”の冠は渋谷に譲るとして、こちらも“日本初”を主張する存在として、熊本を訪れる際には一度横断してみてはいかがでしょうか?

 

 

 

Top image: © iStock.com/urbancow
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