“シュレック化”する恋愛。TikTokのデーティングトレンド「Shrekking」とは

ソーシャルメディア、特にTikTok上で「Shrekking(シュレック化)」という新たなデーティングトレンドが話題になっているようだ。

この言葉は、ドリームワークス製作の有名なアニメーション映画に由来するものの、その実践内容は必ずしも心温まる物語とは限らないという。

米国のZ世代向けメディア『Her Campus』が、このトレンドについて報じている。

大切にされる見返りに、あえて魅力を感じない相手を選ぶ

Shrekkingとは、身体的な魅力を感じない相手とあえてデートすることを指すらしい。

その背景には、相手が自分を関係性における「賞品」だと認識し、その結果としてより丁重に扱ってくれるだろうという期待が存在するようだ。

これは、映画『シュレック』において、外見は魅力的でない怪物シュレックが、心優しさによって最終的にフィオナ姫の愛を勝ち取るという物語を、現代の恋愛観に適用したものと見られている。

© jaxitodwyer/TikTok

専門家が指摘する、近道を探す文化への警鐘

しかし、この恋愛戦略に対して専門家は懸念を示している。

ポジティブ・デーティング社の社会学者兼恋愛専門家であるEmily Thompson氏は、『Her Campus』の取材に対し、「長期的な関係が成功するためには、少なくともある程度の自然な化学反応と相互尊重が必要」と語ったとのこと。

妥協や戦略から始まる関係は、期待と現実の乖離から、失望につながる可能性が高いという。
Thompson氏はまた、こうしたトレンドが、愛への「ハック」や近道を求める現代のデーティングカルチャーが抱えるプレッシャーを浮き彫りにしていると分析。

健全な関係は、近道ではなく、自己認識や時間をかけた誠実な向き合いから育まれるものだと指摘している。

戦略を超えた、本質的な繋がりの探求へ

一方で、このトレンドにもわずかながら肯定的な側面はあるかもしれない。

Thompson氏によると、普段なら考えもしなかったような相手に目を向けるきっかけとなり、表面的な基準から脱却する一助となる可能性も考えられるという。

しかし、同氏は最終的に、デートを戦略ゲームと見なすことをやめ、感情的な相性や価値観の共有に焦点を当てるべきだと結論付けている。

「本物であることが、理想のパートナーを見つけるための最良のフィルターです」Thompson氏は語った。

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