抹茶は「飲む」から「纏う」へ。緑だけでつくるファッションブランドが誕生
スイーツの世界から、思いがけないファッションブランドが誕生しました。濃厚抹茶スイーツブランド「MAMIDORI(マミドリ)」を手がける合同会社first fanが、「緑限定」のオンラインファッションブランド『MAMIDORI PORTER(マミドリ・ポルテ)』の立ち上げを発表。抹茶を「味わう」から「身にまとう」へ——その発想の飛躍に、思わず心が動きます。
「好き」を食卓の外へ連れ出す
同ブランドのキャッチコピーは「緑が、抹茶が好きな自分を、もっと。」というもの。抹茶好きであること、緑色が好きであること。それは多くの人にとって、カフェでの注文やSNSの投稿で完結する嗜好だったかもしれません。
しかし『MAMIDORI PORTER』は、その「好き」をファッションという身体的な表現に変換しようとしています。食の嗜好を装いの領域へ越境させるという試みは、D2Cブランドの事業拡張としても非常にユニークです。
近年、推しのイメージカラーを日常のコーディネートに取り入れる「推し色消費」が広がりを見せています。アイドルやキャラクターだけでなく、自分自身の好きな色やカルチャーをファッションで表明する行為が、ひとつの自己紹介として機能し始めている。そう考えると、「抹茶好き」という嗜好を緑色のアイテムで可視化するこのブランドは、まさに時代の空気を捉えているのではないでしょうか。
第一弾は深緑のトラペーズバッグ

最初のプロダクトとして登場したのは、深い緑色が印象的な「トラペーズバッグ」。価格は12,000円(税込・国内送料無料)で、初回生産分は200個限定とのこと。
注目したいのは、外側だけでなく内側の生地まで緑一色で統一されているという徹底ぶりです。スマートフォンや財布、500mlのペットボトルが収まる実用的なサイズ感に加え、両側面には定期入れやティッシュ用のポケットも備わっています。肩からかけられる長めの持ち手も、日常使いを意識した設計でしょう。
さらに、初回生産分には「初回生産証明書」が同梱されるという仕掛けも。限定数と証明書の組み合わせは、単なるバッグの購入体験をコレクタブルなものへと引き上げています。ブランドの「第一章」に立ち会ったという特別感は、初期のファンにとって大きな価値になるはずです。
SNSコミュニティが動かす販売設計
販売スケジュールにも、このブランドならではの戦略が見て取れます。先行販売は2026年6月21日からInstagramフォロワー限定で実施され、同社の発表によるとすでに販売終了済み。一般販売は6月28日12時から、公式オンラインショップにて追加在庫分が販売開始される予定です。
フォロワー限定の先行販売が即完売したという事実は、SNSコミュニティの熱量がそのまま購買行動に直結していることを物語っています。大規模な広告展開ではなく、すでに「抹茶好き」として繋がっているコミュニティを起点にブランドを育てていく——この手法は、嗜好性の高いニッチブランドにとって理にかなったアプローチだと感じます。
「纏う抹茶」の先にあるもの
同社は今後、バッグにとどまらずアクセサリーなど緑に特化した多彩なファッションアイテムを展開していく方針を示しています。スイーツで五感を満たし、ファッションで個性を表現する。その両輪で「抹茶の魅力」を日本から世界へ発信していくというビジョンは、食とファッションの境界を軽やかに飛び越えるものです。
「緑限定」という一見すると大胆な制約が、逆にブランドの輪郭をくっきりと際立たせている。好きなものを好きだと、色で、かたちで、堂々と伝えられる。そんなシンプルだけれど力強いメッセージが、このバッグには詰まっているように思えます。
抹茶好きの皆さん、次は「飲む」でも「食べる」でもなく、「纏う」番かもしれません。






