洗顔料より「水」を見直すべき?肌の水分蒸散が19%減った新研究

パナソニックと神戸大学の共同研究チームが、ちょっと気になる研究結果を発表しました。毎日の洗顔に使う「水そのもの」の質を変えるだけで、肌の保湿力やバリア機能が改善する可能性があるというのです。

洗顔料ではなく「水」が
肌を乾かしていた

肌の表面は、健康な状態だと弱酸性に保たれています。これがバリア機能の土台になっているわけですが、今回の研究で明らかになったのは、水道水で顔をすすぐと肌が中性寄りに傾いてしまうという事実でした。

さらに、水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムが、せっけんの成分と反応して「せっけんカス」を生むことも知られています。これが肌に残ると、乾燥の一因になるのだそうです。

つまり、どんなに良い洗顔料を選んでも、最後にすすぐ水が肌環境を崩している可能性がある。スキンケアの「盲点」は、蛇口の向こう側にあったのかもしれません。

弱酸性軟水に替えたら
肌の水分蒸散が19%減った

パナソニックが開発したのは、水道水からカルシウムやマグネシウムを取り除き、さらにpHを弱酸性に調整した「弱酸性軟水」。27人の参加者を対象にした試験では、普段の洗顔水をこの弱酸性軟水に切り替えて4週間使ってもらいました。

結果、肌から水分がどれだけ蒸発するかを示す指標(経表皮水分蒸散量)が、使用前と比べて19%低減。つまり、肌の水分が外へ逃げにくくなったということです。

加えて、肌のうるおいの指標である角層水分量や、はりの指標となる皮膚の弾力性にも改善が見られました。参加者へのアンケートでも「しっとりする」「すべすべする」という実感が増えたとのこと。

この研究成果の一部は、2026年6月に開催された日本香粧品学会でも発表されています。弱酸性の軟水で洗顔することで、肌が本来の弱酸性にすばやく戻りやすくなり、バリア機能の維持につながった可能性があると研究チームは考えています。

「安全な水」と「肌に最適な水」は
イコールではない

ひとつ大事な補足があります。これはあくまで研究段階の成果であり、この技術を搭載した製品はまだ存在しません。パナソニックは今後も研究を続け、肌トラブルの解決につながる水の開発を目指すとしています。

それでも、この研究が投げかけている問いは小さくないと感じます。私たちは洗顔料や化粧水には何千円もかけるのに、それをすすぐ水のことはほとんど考えてこなかった。

「水道水は安全だから、それで十分」。その前提は間違いではないけれど、「安全」と「肌にとって最適」はイコールではないのかもしれません。

毎朝、毎晩、顔に触れている水。もしスキンケアの効果がいまひとつだと感じているなら、一度「水」のほうに目を向けてみる価値はありそうです。

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