長期休暇、子育て世代の3人に1人が体調不良を後回し。「看病ドミノ」の実態

クリニックフォアグループが2026年7月末に公表した調査によると、子育て世代の3人に1人が、長期休暇中に自分の体調不良を後回しにした経験があるそうです。しかも、その理由の最下位が「大したことないと思った」だったという事実に、思わず二度見しました。

我慢じゃなく「順番が回ってこない」
という構造

調査は全国の20〜59歳の有職男女800名を対象に、2026年7月に実施されたもの。子育て世代(0〜12歳の子どもがいる層)と非子育て層を比較しています。

まず目を引くのが、長期休暇中に体調を崩した経験のある人の割合。子育て世代は46.0%で、非子育て層の29.5%と比べて約1.6倍にのぼります。

旅行や帰省の移動疲れ、子どもの長期休みで増える家庭タスク、家族の看病——。休暇なのに、むしろ負荷が上がっている。

そして、自分の不調を後回しにした理由(複数回答)を見ると、トップは「家族の体調不良対応に追われていた」で55.6%。次いで「子どもの夏休みと重なり家庭タスクが増えていた」が49.6%。

「病院が休診で受診のタイミングを逃した」は39.3%で3位。つまり、医療機関が開いていないという外的な問題よりも、家庭内で自分の受診の優先順位が構造的に下がっていることのほうが、大きな壁になっているわけです。

「看病ドミノ」という名前がついた瞬間

この調査では、家族の体調不良と看病が連鎖し、看病を担っていた親自身が最後に倒れてしまう状態を看病ドミノと名づけています。

後回しにした結果どうなったか。「症状が悪化して後日受診した」が46.7%、「帰宅後に倒れて仕事や家事に大幅な支障が出た」が32.6%。

「重症化・長期化した」は25.9%、「旅先で看病する側から看病される側になった」は23.0%。後回しの代償は、かなり重いです。

さらに、薬局の休業で薬を受け取れなかった経験も、子育て世代は20.0%と非子育て層の7.3%を大きく上回っています。

「自分のケア」は家庭インフラの一部

この調査が鋭いのは、親の受診後回しを「我慢強い性格」や「自己管理の甘さ」の問題にしなかった点だと思います。

看病して、家事をして、子どもの相手をして——その連鎖のなかで、自分の体調は常に「後でいい」リストに入る。それは意志の問題ではなく、役割の構造がそうさせている。

まさに今、お盆休みに入ろうとしている方も多いのではないでしょうか。

家族の健康を守る人が倒れたら、家庭というシステムそのものが止まります。「自分のケアを後回しにしない」は、わがままではなく、家庭インフラの維持なのかもしれません。

オンライン診療のように、移動や待ち時間なしで受診できる選択肢も広がっています。休暇中の「順番」に、自分を入れておくこと。それが、ドミノを止める最初の一手になるはずです。

長期休暇の体調不良と受診に関する調査

【調査期間】2026年7月10日〜7月13日
【調査方法】インターネットリサーチ(調査委託先:ネオマーケティング)
【調査対象】全国の20〜59歳の有職男女800名(子育て層400名・非子育て層400名)
【調査主体】クリニックフォアグループ
【公式サイト】クリニックフォア オンライン保険診療

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。