佐藤ねじの企画書が「借りられる」。アイデアの価値を変える新サービス
企画書といえば、社外秘。クライアントに合わせてゼロから練り上げ、プレゼンが終われば引き出しの奥にしまわれる──そんな常識を、あっさり手放したクリエイターがいます。
7,000件のメモから生まれた
「アイデアの貸し出し」

クリエイティブスタジオ・ブルーパドル代表の佐藤ねじさんが始めた「レンタル企画書」は、自身が考えた企画書を誰でも商用利用できる形で貸し出すサービスです。
広告代理店や制作会社はもちろん、自治体、店舗オーナー、イベント主催者まで、クライアントへの提案にそのまま使えます。
佐藤さんは2010年からアイデアをメモし続けていて、その数は7,000件以上。そのうち「いつか実現したい」と考える企画が1,000件以上あるといいます。
けれど普段の仕事では、案件ごとにゼロから企画するのが基本。過去のアイデアを提案に乗せる機会はほとんどなかったそうです。
そこで考えたのが、企画書を「貸し出し可能な状態」にして、さまざまな人に日本各地の提案先へ運んでもらう仕組みでした。
「見るもの」から
「使えるもの」への転換


このサービスが面白いのは、アイデアの価値を「所有」から「流通」に切り替えた点です。
佐藤さん自身が参考にしたのは、フリー素材サイト「いらすとや」の構造。有名イラストレーターの作品は「鑑賞するもの」ですが、いらすとやは「自分の資料に貼れるツール」として広まりました。
同じように、プロの企画書を「読んで感心するもの」から「自分の提案に組み込める実用素材」に変える。いわば「いらすとやの企画書版」です。
企画は「FREE企画」と「PRO企画」の2種類。FREE企画は、実施時に「企画:佐藤ねじ」とクレジットを入れるだけで基本的に使えます。PRO企画は佐藤さん自身が企画や制作にも参加するタイプです。
10年後に届くかもしれない
アイデアの「居場所」

公開されている企画例がまた、想像力をくすぐります。
山に向かって問いを叫ぶとAIが山びこのように答えを返す「ヤッホー検索」。串の刺し方を変えて分子の構造式に見立てた「みたらし分子」。どれも「うちの街でやれないかな」と思わせる引力があります。
開始時点で40案以上を用意し、週に2案ほど追加。10年で1,000案以上を目指すとのこと。
SNSに投稿したアイデアは拡散されても、やがてタイムラインの底に沈みます。でもレンタル企画書に置いておけば、10年実現しなくても11年目に「ちょうどいい場所」と出会えるかもしれない。
アイデアに「住所」を与えること。それ自体が、クリエイターの新しい生存戦略なのかもしれません。
レンタル企画書
【運営】株式会社ブルーパドル
【公開企画数】41件(2026年8月時点)
【形式】PDF / Keynote / PowerPoint
【公式サイト】レンタル企画書






