規格外キャベツが餃子の「金賞」を獲る。銚子の農家が覆した味の常識

通販で買える冷凍餃子、最近はかなりレベルが高いですよね。専門店の味がそのまま届く時代に、全国規模のアワードで金賞を獲ったのが、餃子屋でもメーカーでもなく「農家」だったと聞いたら、ちょっと気になりませんか。

金賞11商品の中に
「農家」が1社だけいた

JAPAN餃子大賞2026授賞式で金賞の賞状を持つくるくるやっほーの代表
© 株式会社くるくるやっほー

講談社BECKが主催し、焼き餃子協会が共催する「JAPAN餃子大賞™2026」。餃子愛好家7名が100点満点で審査するこのアワードの通販餃子部門で、金賞に選ばれた11商品のリストに、異色の名前が混じっていました。

千葉県銚子市の農業会社「くるくるやっほー」がつくる「アフロきゃべつ餃子」です。

同社の発表によれば、金賞11事業者のうち、原料野菜の生産から加工・製造・販売までを自社で一貫して手掛けているのは同社だけ(同社調べ)。

つまり、餃子屋さんやメーカーが並ぶ土俵に、畑を持つ農家がひとりだけ立っていた。この構図そのものが、規格外野菜の価値が変わりつつあることを物語っています。

「捨てる部位」が
味の設計図になる

餡の具材となる野菜を細かく刻む調理風景
© 株式会社くるくるやっほー

主原料は、自社農園で育てた「アフロきゃべつ」。気候変動などで大きくなりすぎたり、割れたり欠けたりして、市場の規格から外れてしまったキャベツです。

一般的には廃棄されやすいこうしたキャベツを、餡の約50%に使用。さらに注目したいのは、ふつう捨てられる外葉や芯まで乾燥・製粉して「アフロきゃべつパウダー」にし、餡に練り込んでいること。

廃棄部位を「もったいないから使う」のではなく、味の設計要素として組み込んでいるわけです。

味付けには、1630年創業の銚子山十がつくる伝統調味料「ひ志お」——大豆と大麦を長期発酵させた醤(ひしお)に、千葉県内の醤油をブレンド。タレなしで食べられる設計になっています。

皮は群馬県で1965年から餃子をつくり続ける金星食品によるOEMの薄皮仕立て。地元の素材と各地の職人技が、15粒1,000円(税別)のパッケージに詰まっています。

「規格外=品質が劣る」は
もう古いのかもしれない

フライパンで焼き上げた餃子を皿に盛り付ける様子
© 株式会社くるくるやっほー

代表の坂尾英彦さんは「生産した野菜に最後まで責任を持ちたい」という思いから冷凍餃子の開発を始め、数年かけて試作を重ねたといいます。

規格外野菜の活用というと、どうしても「フードロス削減」「SDGs」といった文脈で語られがちです。もちろんそれは大切な側面ですが、この餃子が証明したのは、もう少し先の話ではないでしょうか。

「規格外だから安く売る」でも「かわいそうだから買う」でもなく、味の品質で正面から評価された。私たちが通販で餃子を選ぶとき、「誰が、どんな素材で、どう作ったか」がそのまま信頼になる時代が来ているのかもしれません。

坂尾さんは「これはスタート」と語っています。畑から食卓まで一本の線でつながった餃子が、次にどこへ向かうのか。ちょっと追いかけてみたくなります。

受賞記念イベント アフロきゃべつ餃子スタディツアー

【日時】2026年9月26日(土)10:30〜15:00
【会場】Hennery Farm(千葉県銚子市笠上町7001)
【内容(予定)】受賞商品の試食、アフロきゃべつ畑の見学、他入賞餃子の試食
【ゲスト】小野寺力氏(焼き餃子協会 代表理事)、塚田亮一氏(東京餃子通信 編集長)
【定員】30名
【参加費】小学生以上 5,000円(税込)/未就学児 2,500円(税込)/未就学児で餃子を食べない場合は無料
【アルコール類】キャッシュオン
【販売】自社EC「Hennery Market」、ポケットマルシェにて購入可能

Top image: © 株式会社くるくるやっほー
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